この記事をまとめると
■トラックの自動運転が実現するのはまだ先になるといわれている
■物流の現場では自動化がかなり進んでいる
■倉庫などでは自動運転も導入しやすいとされている
自動搬送車やフォークリフトは自動運転化!
トラックの自動運転を実現するのは、まだ当分時間が必要だが、物流の現場では自動化がどんどん導入されている。正確でスピーディ、人手不足を解消してくれる手段として、ロボットやAIがどんどん増えているのだ。
ネット通販大手のアマゾンが、倉庫内での商品管理を自動化していることはよく知られた話だろう。お掃除ロボットを高くしたような四角いマシンが商品の入った棚を持ち上げ移動することで、作業員が箱詰めするだけで出荷できるようなシステムを構築している。
商品のピッキングに関しては、ほかにもいろいろな自動化のシステムがあって、在庫管理や出荷の工程はかなり自動化されている。倉庫など限られた空間では、自動運転も導入しやすい。AGV(自動搬送車)やフォークリフトも自動運転が実現しており、どんどん無人化が進められている。
工場で生産された製品を箱詰めするのもロボットの仕事に変わりつつある。負圧と吸盤を使って商品をキャッチして箱に詰め込むロボットは、かなり導入されている。
こうしたロボットは高価だが、休みなく働いてくれるので、数年で元(採算)が取れてしまうのである。それはクルマを生産する産業ロボットなども同じだ。産業ロボットは1体2000万円以上といわれているが、ボディモノコックの溶接や塗装など危険な仕事、汚れる仕事も文句もいわずにこなしてくれる。
最近では人型のロボット(といっても見た目は人間のようではなく、胴体から2本手が出て、ふたつのカメラで物体を認識するというもの)も登場し、さまざまな仕事を覚えさせられる汎用性の高さも武器になりつつある。倉庫への納入から在庫管理、出荷までを完全自動化するようなシステムも登場している。しかし、それが普及するにはまだ当分時間がかかりそうだ。商品が頻繁に入れ替わる業界などでは、自動化はあまりメリットがない、ということもいわれたりする。
ともかく物流業界は人手不足が深刻であるし、自動化しやすい分野であるので、今後も自動化は積極的に進められていく業界となるだろう。そうやって物流業界で余った人材はトラックドライバーになってくれると、一石二鳥なのだが、そう上手くはいきそうにない。
AIが普及すると人間が仕事を奪われる、あと10年で消滅する仕事などと話題になることも多い。単純労働はAIやロボットにもできることから、どんどん自動化が進んでいくだろう。その一方で、ガテン系の仕事は融通が効かないロボットには向いていない。現物合わせの建築業やブルーカラーの仕事ばかりが残るわけではないが、このままいくとAIに管理されながら働く仕事も増えていきそうだ。そうなったとき、ストレスを感じるのか、それとも変な感情やしがらみなどがなくなりストレスがなくなるのか。
近未来の仕事は物流だけでなく、さまざまな仕事が大きく変化していく。人手不足を解消するだけでなく、人々が働きやすい環境になっていくことを願いたいところだ。