この記事をまとめると
■自動車メーカー「ブガッティ」はエットーレ・ブガッティが設立した
■ブガッティはレースで輝かしい成績を残し知名度を高めた
■過去、現在のブガッティ車について解説
ブガッティとは?
エットーレ・ブガッティが設立した自動車メーカー「ブガッティ」。自動車技術士をして活躍していた同氏により1909年、フランスのアルザスに設立されました。
設立後、ブガッティはレースで輝かしい成績を残し知名度を高めていきましたが、同社が販売する市販車の販売はイマイチ……。もっとも売れたタイプ57でさえ700台をわずかに上まわる程度に終わっています。
と、自動車メーカーとして成功しなかったブガッティは航空機のエンジン生産などを行い、会社を維持していましたが、レースで培ったブランドイメージが高いこともあり、買収が繰り返されました。
1963年には自動車メーカー「イスパノ・スイザ」、1968年には航空機などのエンジンを生産する「サフラン・エアクラフト・エンジンズ(当時の社名はスネクマ)」が同社を買収。
その後、ブガッティの商標権を手に入れた実業家(ロマーノ・アルティオーリ)により1987年にブガッティ・アウトモビリが設立され、1991年にEB110を発表。V12エンジンを搭載するスーパースポーツカーのEB110は大きな話題を集めました。
ただ、同社は1995年に倒産。その後、フォルクスワーゲンが商標権を入手し2000年にブガッティ・アウトモビルが設立され現在に至ります。
現在のラインアップ
シロン(2016年)
後ほど紹介するヴェイロンの後継モデルとして2016年にデビューしたシロン。最高出力1500馬力の8リッターW16ターボエンジンを搭載し、最高速度は驚愕の420km/hを誇ります!(スピードメーターも500km/hまで刻まれているのに注目)
車名の由来はブガッティを操りモナコグランプリを制したレーシングドライバーのルイス・シロン。レジェンドの名を授けたシロンは0-100km/h加速2.5秒と圧倒的な走行性能を誇り、そのパワーを受け止めるブレーキはカーボンセラミックを装備しました。
また、4つのポジションが備わるアダクティブ・スポイラーなどにより空力性能も長けており、400km/hを超える最高速度の実現に貢献しています。
ただ、シロンは優れた走行性能だけでなく、贅を尽くしたインテリアを配するなど、超高級車としての資質を備えていることも忘れてはなりません。
30種類以上のカラーから選択可能なシート表皮や削り出しのアルミをはじめとする上質な素材で仕立てられたインテリアは、高級感を備えつつシンプルな佇まいが特徴。細長いセンターコンソールには、4つの回転式スイッチとギヤセレクターが美しく配置されています。
シロンといえば、今年2月にワンオフモデル“Profilee4”がオークションで新車落札価格の最高額を更新したことが話題を集めました。その落札額はなんと979万2500ユーロ(約15億9800万円)! ブガッティに新たな伝説が加わりました。
W16ミストラル(2022年)
ヴェイロン、シロンに搭載されてきたW16気筒エンジン最後のモデルとして2022年に登場したW16ミストラル。現行ブガッティ車の特徴となるホースシュー型グリルを備えているものの、縦型のヘッドライトやAピラーを包み込むように湾曲したフロントガラスなど、シロンをベースとしたものではなく、オリジナルデザインを採用しました。
同車に搭載されるパワーユニットは8リッター W16気筒エンジンの最高出力は1600馬力。最高時速はシロンと同じ420km/hです。
ミストラルのデザインは1930年代にレースで活躍したタイプ57で、センタープレスラインなどにデザインモチーフが採り入れられました。
また、インテリアも削り出しアルミが目を引くシロンとは異なり、革とカーボンの組み合わせが目立つのが特徴。ただ、高級感を備えつつシンプルなデザインを採用したところはシロンと変わりません。
同車は99台限定で2024年から販売を開始する予定ですが、残念なことにすでに完売とのこと。ブガッティは今後、W16気筒エンジンを廃止し、電動化されたパワーユニットを搭載する新たなスーパースポーツカーを製作する予定です。