この記事をまとめると
■日産のSUV、エクストレイル
■2000年に登場し、現行型で4代目となる
■現行エクストレイルについて詳しく解説
現行エクストレイルの特徴とは?
アウトドア好きを中心に「道具として使い倒せるクルマ」として人気を博した初代エクストレイル。「タフギア」をテーマに2000年に登場した初代は、オフローダーをイメージさせる“それっぽい”無骨なスタイリングが多くの支持を集めました。
2007年に登場した2代目もやや抑えられたとはいえ、無骨なスタイリングはそのままにディーゼルエンジン搭載車を用意するなど正常進化しています。
ただ2013年にデビューした3代目は初代、2代目が備えていた無骨さを排除。クロスカントリー風な見た目から、クロスオーバー風に改められたことで大きな話題となりました。
そんな3代目のあとを継いだ4代目となる現行モデルは2022年7月に登場。先代と比べて迫力を増したスタイリングや全車e-POWERとなったパワーユニットなど、国内外に数多くのライバルを有するミドルクラスSUVにおいて数多くの特徴を備えています。
今回は現行モデルが備える特徴を詳しく見ていきましょう。
タフさを強調したエクステリアデザイン
二段に配置したヘッドライトが目を引く現行モデルのエクステリアデザイン。初代から「タフギア」を継続するエクストレイルですが、先代に比べて“タフ”さが強調されたデザインを採用しています。
フロントマスクとともに20mm低くなった全高と20mm広げられた全幅により、ローアンドワイドなフォルムが強調されたのがそう感じる大きな理由なのかもしれません。
先代同様、Vモーショングリルを配しているもののグリル先端からヘッドライトへ繋がるラインなど、とくにフロントマスクが迫力を増しました。
ただ、現行モデルのデザインはタフさだけを重視しているだけでなく上質さも兼ね備え、とくに海外市場での競争力を高める工夫がなされています。
その一例がキックス同様、Vモーションの外側にラインを追加したダブルVモーショングリルや立体感にこだわった前後ランプの造形。迫力満点の前後フェンダーとうまくマッチすることでタフさと上質さを両立しました。
機能性はもちろん上質さが向上したインテリア
タフギアらしい機能性に加えエクステリア同様、上質さが向上したのが現行のインテリア。ドライバーズシートに座ると全面ディスプレイメーター(※エントリーグレードは非装着)や、インパネ上部に配置された12.3インチ大型ディスプレイが目に入ります。
先代から変更された箇所といえば、シフトレバー(シフトセレクター)。ストレートタイプだった先代から、現行モデルはマウスっぽい電子式に変更されました。
2列シートに加え3列シートが用意されたのは先代同様。ただし、現行モデルで3列シートを選択したい場合は、4WD仕様のX e-4ORCEを選ぶ必要があります。
また、レジャー時に役立つAC1500W電源を新たに設定。室内スペースは先代同様広々しているし、ラゲッジルームも575リットル(通常時)と大容量。SUVに求められるユーティリティ性能も現行モデルの特徴といえるでしょう。
ただ、現行モデルでやや残念なのが、先代まで標準装備されていた防水シート表皮や防水処理が施された樹脂製ラゲッジ床が廃止されたこと。
防水シート表皮は上級グレードにオプションで用意されていますが、エクストレイルの特徴でもあった装備が廃止されたのはアウトドア派にとって残念なポイントです。
改良されたシャシーで静粛性や乗り心地が向上
4代目となる現行モデルはCMF-C/Dと呼ばれるルノーと三菱とのアライアンスで共用するプラットフォームを使用。骨格の一部には構造用接着剤を使用するなど、剛性を高めています。
また静粛性にも力が入れられているのも特徴。ボディ自体をNV性能に考慮した設計にしているのはもちろん、吸音材や遮音膜の形状や厚みを最適化。重量を増やさず性能向上を図ったほか、データ解析などにより遮音性能が高まる箇所を重視した静粛性対策が施されました。
サスペンション形式は先代同様、フロントはマクファーソン・ストラット式、リヤはマルチリンク式を採用していますが、それぞれ進化しています。
剛性を高めホイールストロークを改善したことで、乗り心地が大幅に向上。合わせて軽量化も図られました。