トラックから船・電車へと荷物の積み降ろしなく運べる! 意外と知らない魔法の箱「コンテナ」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■トラックやトレーラーなどで運ばれる「コンテナ」

■「コンテナ」は効率的で利便性の高い物流手段だ

■「コンテナ」に関する決まりや用途について解説

途中で移動手段を変える際の手間が省ける

 トラックやトレーラーで運ばれる四角い鉄の箱。一般に「コンテナ」と呼ばれ、物品輸送には欠かせない存在だ。大きさや形状にいくつかの種類が見られるものの、それらには厳密な基準が設けられている。最大のメリットは、運送中に荷物の積み下ろしの回数が少なくて済むこと。出荷の際に荷物をコンテナに積み込めば、途中でトラックから鉄道というように移動手段を変えたとしても、コンテナごと載せ替えればよい。基本的に、到着地まで荷物の積み下ろし作業が発生しない、効率的で利便性の高い物流手段なのである。

 コンテナによる輸送は「インターモーダル輸送」といわれ、「輸送単位の荷物を組み替えることなく、異なった輸送機関(トラック・トレーラー・鉄道・船舶など)を複数組み合わせて運ぶ輸送形態のこと」と定義されている。200年ほど前に海外の鉄道会社が始めたもので、船や荷車から鉄道に荷物を積み替えるなどといったときに、少しでも手間を省こうとして考案されたものだそうだ。

 1950年ごろは、現在のフェリーのようにトラックごと船に積み込んでいた。しかし、荷室だけを分離独立させた場合に、積載効率やトラック(動力車)の利用効率が高くなるため、現在の形に落ち着いたのである。その後、海上輸送を中心にコンテナのシステムが世界中に広がるなか、1967年に国際標準化機構(ISO)が国際規格「ISO668」を制定した。

 しかし、わが国は国土の狭さや道路インフラがそれに耐え得る構造ではないと懸念されたため、長くこの規格を受け入れられずに独自の規制(たとえば、40フィートコンテナはISO668で最大重量が30トン480kgであったが、当時わが国では24トンまでとされた)を敷いていた。結果、港で荷物の積み替えが発生するなどして、コンテナ輸送のメリットを十分に生かしきれなかったのである。これが解消されたのは1995年のことだ。


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