この記事をまとめると
■日本独自の文化であるデコトラは車検制度に悩まされている
■プライベーターのデコトラ乗りであれば公認車検を取得することは難しくない
■デコトラが仕事車の場合は構造変更をする必要が出てくる
「構造変更」を行うとどうなる?
自動車大国日本では、多種多様の改造車たちが存在している。自動車に興味がない人からすれば、改造車のことを快く思わない人が圧倒的に多いだろう。派手なフォルムに爆音、それに加えてマナーの悪い運転をされてしまえば、好きになれというのも無理な話。改造車に好んで乗るのであれば、まずは乗り手側が意識の向上に励まなければならない。やんちゃそうに見えるクルマのマナーがよければ、とてもかっこよく思えるのだ。
日本には車検制度が存在しているため、改造車に厳しいお国柄だといえるだろう。日本独自の文化であるデコトラの愛好家たちも、そんな車検制度に悩まされている。とくに貨物車であるトラックは、毎年車検が訪れるため、意識せざるをえないのだ。
そんなデコトラのことを、違法改造車だと思い込んでいる人は多いだろう。あれだけ目立つ改造車であるだけに、合法であるとは思わないのも道理である。しかし、平成後期のころからは、公認車検を取得するデコトラが増えてきた。日本は改造車に厳しく、そして前述のとおり毎年車検であることも手伝い、デコトラの世界にも合法化の波が進んでいるのである。
プライベートでデコトラを楽しんでいる人たちにとっては、公認車検を取得するのは難しくない。交通法規に沿った内容であれば、比較的スムースに車検を取得できるのだ。その用途や改造次第であるが、キャンピングカーや事務室車などに区分を変更してしまえば2年車検になるため、いろいろな面でメリットが存在するのだ。
そんなプライベートなデコトラにおける構造変更については、実際にお手製の事務室車に乗る筆者が改めてご説明したいと思う。
しかし、荷物を運ぶ仕事車の場合は区分を変更することはできない。そのため、毎年車検であるのは変わらないのだが、車検ごとに飾りを外すのも煩わしいもの。車検の準備に時間を要してしまうよりも、仕事をして稼いでいるほうが得策だからだ。
そこで必要となるのが、構造変更と呼ばれる手法である。構造変更の申請を行うことで、安全基準を満たす範囲内での外寸や乗車定員数を変更することができるのだ。そう、飾りを取り付けたことで全長や全高などが変わってしまう場合は、飾りを取り付けたサイズに変更してしまうのである。
そのタイミングは、車検の時期に合わせることがオススメとなる。構造変更を申請することで税金や自賠責保険料、車検の有効期間などが変更されるからである。そして、公認車検を取得することで、晴れて堂々と公道を走れる合法改造車となるのである。
車体の外寸だけではなく突起物と見なされた場合の対処やマフラー、そして電飾にも細かな取り決めなどが存在するのだが、その判断は所轄の陸運支局によって異なるというのが現状である。そのため、実際に足を運び、アドバイスを受けることが重要だ。
ただし、飾りの重量のぶんだけ最大積載量が減らされてしまうので注意が必要である。いくら車検を取得したところで、過積載での運行を余儀なくされてしまうのは愚の骨頂であるからだ。ぜひとも交通法規を遵守しながら、デコトラ文化をより盛り上げて頂けたらと思う。