この記事をまとめると
■RVブームのころに中心にいたのが三菱パジェロだった
■2019年に終売となった三菱パジェロが復活するという報道があった
■三菱パジェロが復活したら、極限のオフロード性能を備え、車格はランクル300ぐらい、ライバルはランクル250となるだろう
RVブームの主役だった三菱パジェロ
いま世界的なSUVブームといわれている。SUVという呼び名が広まる前、1990年代にはミニバンを含め、クロカン4WDなどをRV(レクリエーショナルビークル)としてカテゴライズしていた時代がある。
そして、RVブームの中心にいたのは三菱パジェロだった。クロカン4WDといえば、軍用車にも通じるハードコアなモデルというイメージが強かった時代に、乗用的なクロカン4WDというキャラクターをいち早く生み出したことで、パジェロはRVの理想形となったのだ。
そんなパジェロも、乗用プラットフォームをベースとしたクロスオーバーSUVが増えてくると、乗降性や燃費などの面でのネガが指摘されるようになり、全盛期の人気を失っていく。そうして2019年、ついに日本国内での販売が終了、その歴史に幕を下ろしたのは、ご存じのとおりだ。
そんな伝統のモデルが帰ってくるというウワサが飛び交っている。
三菱自動車の経営判断的にいえば、ラリーアートを本格再始動するなどモータースポーツのイメージでブランド価値を高めている流れにおいて、かつてパリダカラリーで名を馳せたパジェロを復活させることで、三菱自動車のブランディングになると考えている部分もあるだろう。
一方、自動車メディアやモータージャーナリストからもパジェロ復活を求める声が大きくなっている。その理由は、三菱がタイで生産、日本での発売が始まったグローバルモデルのピックアップトラック「トライトン」の存在にあることはいうまでもない。
これまでも前後をモーター駆動するプラグインハイブリッドカー「アウトランダーPHEV」のオールラウンダーな走りっぷりから、PHEVアーキテクチャーを使ったパジェロ復活という声もあったが、まだまだ「砂漠の韋駄天」としてのイメージが強いパジェロには、電動化は時期尚早という見方もある。
トヨタ・ランドクルーザー(300系)が、まったく電動化していないように、現時点ではパジェロも純エンジン車であることが求められるといえよう。そうなると、ベースとなり得るアーキテクチャーは、前述したトライトンと共有化するというのが現実的だ。