「ラリーとドリフトのドライビングはすべてが違うが経験は役に立つ」 FDJ開幕戦でWRC王者ロバンペラに直撃インタビュー!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンが4月6〜7日に富士スピードウェイで開幕

■2022〜2023年のWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラ選手が初戦から参戦した

■ラリーとドリフトの違いやマシンのフィーリングなどを直撃した

WRCチャンピオンが早くも日本で大暴れ!

 2024年のFDJ(フォーミュラ・ドリフト・ジャパンが4月6〜7日、富士スピードウェイで開幕し、既報のとおり、ファイナルで小橋正典選手との一騎打ちを制した高橋和己選手が大会3連覇を達成した。しかし、それ以上に今大会で注目を集めていたのが、2022〜2023年のWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラ選手だ。

 ロバンペラ選手はラリー競技の最高峰シリーズのWRCで活躍するほか、ドリフト競技でも活躍しており、2022年にはドリフトマスターズ・ヨーロッパで躍進。さらに、2023年にはフォーミュラ・ドリフト・ジャパン第2戦のエビスでデビューウインを飾ると、第6戦の岡山で2位に入賞したことは記憶に新しい。

 そのロバンペラ選手はWRC第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」でシーズン初優勝を獲得すると、その勢いのままFDJ開幕戦の富士に登場。6日の予選ではハイスコアをマークし、堂々の2位で予選を突破したほか、7日の決勝でもTOP32で朱元路選手を破り、TOP16にコマを進めていた。

 残念ながら草場佑介選手と対戦したTOP16では追走で離され、TOP8への進出は果たせなかったが、それでも多くのファンがWRCドライバーの迫力あるファイトを満喫したことだろう。

 そんなラリー競技およびドリフト競技で活躍するロバンペラ選手を富士の会場で直撃。まずは6日の予選終了後、2位で決勝進出を果たしたロバンペラ選手にラリーおよびドリフトにまつわる話を聞いてみた。

 ——今日(4月6日)の予選はどうでしたか?

ロバンペラ選手:いつものように興味深い1日だったよ。

 ——このコース(富士)はどうですか?

ロバンペラ選手:シンプルに見えるけど、それほど簡単ではないね。本当に速いコースで、最初のコーナーが速いのに、その後のコーナーはテクニカルで、大きな角度でドリフトするのは簡単ではないから特定のセットアップが必要になってくる。

 ——昨年の岡山からセッティングを変えたんですか?

ロバンペラ選手:かなり変えたよ。フロントのジオメトリーを変更したのでウエットコンディションでよくなってきた。ドライでは大きな違いはないけれど、少なくともウエットでは改善されたよ。

 ——昨年の岡山のときのように、明日(4月7日)の決勝も雨が降る可能性がありますが、いかがですか?

ロバンペラ選手:昨年の岡山での雨は調子があまりよくなかったからね。クルマに大きな角度をつけるのは簡単ではなかった。だから、今回の修正は雨のときに役立つことになると思う。

 ——エンジンパワーもアップしたんですか?

ロバンペラ選手:予選の1回目の走行では少しパワーが落ちていたけど、2回目はよくなっていてパワーがあった。このコースはグリップが高いから、コーナーから抜け出すためには多くのパワーが必要になるよ。

 ——ラリーのターマックタイヤとドリフトのタイヤは似ていますか? 何か違いがありますか?

ロバンペラ選手:あまり似てないよ。ドリフトで使用するタイヤはセミスリックで、かなりグリップを得ることができる。ドリフトはクルマを滑らせることだと誰もが思っているけれど、ドリフトさせるためにはグリップ力が必要で、多くのパワーが必要になる。そのために私たちはタイヤとシャシーから可能な限りグリップを引き出そうとしているし、速く走らせようとしている。グリップがしっかりしているとドリフトするのは簡単ではないから、それが難しいところだね。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
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