そんなに大きな改良じゃないのに「価格アップ」するいまどきの新車! 加えて「値引き」も渋い裏には苦しいメーカーの事情があった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年2月にスズキ・ジムニー及びジムニーシエラが仕様変更を実施し、価格も変更となった

■自動車メーカーは「法規対応」などと称して小売価格の値上げを行っている

■今後は新車に買い替える際の「タイミング」の見極めが重要になってくる

一部改良での価格アップは「事実上の値上げ」である可能性が高い

 スズキ・ジムニー及びジムニー・シエラが2024年2月19日に一部仕様変更を実施した。仕様変更については「法規対応に伴う」としているだけで明らかにしておらず、今回の仕様変更について「事実上の値上げ」とする声も上がっている。

 現行ジムニーシリーズは2018年7月5日にデビューしている。調べてみると、今回の仕様変更も含め3回の仕様変更を実施している。

 最初となる2021年9月の仕様変更では、スズキセーフティサポート非装着車にもオートライトシステムを搭載、4速AT車へのアイドリングストップシステムを追加、さらに「ジムニー」にスペアタイヤロアカバーが追加されている。ジムニーの最廉価グレードとなるXGの5速MT車でデビュー時のメーカー希望小売価格と比較すると、2万7000円アップとなっている。

 2022年6月の仕様変更では5速MT車にアイドリングストップシステムも採用、それに伴うインパネのスイッチレイアウトの変更を行っている。同じくXGの5速MT車とで比較すると、2021年9月の仕様変更以後のメーカー希望小売価格比で7万400円のアップとなっている。

 そして今回の仕様変更後の価格と、2022年6月の改良後の価格と比較すると、9万9000円のアップとなっている。デビュー時と今回の仕様変更後のメーカー希望小売価格を比較すると、19万6400円の価格アップとなっている。

 仕様変更内容がリリースで明記されている2021年、2022年の仕様変更よりも、今回の法規対応の仕様変更のほうが価格アップは大きくなっている。この辺りからも、「事実上の値上げ」とする声があるのだと考える。

 今回はジムニーシリーズをサンプルにしたが、このように「法規対応」などとして、一部改良や仕様変更に伴う価格変更は、ジムニー、そしてスズキ、さらにスズキ以外のメーカーでもよくあることになってきている。仕様変更や一部改良を行っているので「単純な値上げ」とは指摘できないものの、その値上げ幅を見ると、値上げを意識した仕様変更や一部改良と受け止められることが多い。

 実際に新車ディーラーへ行くと、「今度一部改良を行いますが、改良はたいしたものではありませんが、価格は結構アップします。実質的な値上げと思ってください」といったセールススタッフからの説明を、メーカー問わず、ディーラーの店頭で受けることが多くなってきている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報