この記事をまとめると
■中古車販売でのトラブルはつきものだが最近では売却時のトラブルが多い
■強引な勧誘や高額なキャンセル料など、手口は悪質なものばかり
■中古車需要の高まりや高齢者ドライバーの増加によりトラブル件数が増えたとされる
買うときだけでなく売るときにも注意が必要だ
ビッグモーターの一件があったからなおさらなのだが、もともと中古車については不安がつきまとってきた。簡単にいえば「騙されていないか」のひと言に尽きるし、結局「騙された」というのが多いのも事実だ。買うときのトラブルはお馴染みといったら言葉悪いが、気になるのは最近とくに売却時のトラブルが増えていることだ。
独立行政法人の国民生活センターによると、事例は3つに分かれていて、強引な勧誘や契約、高額なキャンセル料、契約後の査定額減額となる。これも例のビッグモーターでもお馴染みとされていたものばかりで、本来は査定してもらって、金額に納得したら買い取ってくれるというスムースな流れになるだけに、非常に悪質だ。
結局は、査定はいい加減でもちろん金額もいい加減。詐欺まがいに安い金額で大切にしてきた愛車をもっていかれただけでなく、金額をあとで下げられたり、あげくの果てには高額なキャンセル料を取られるなど、散々ということになる。
ちなみに強引な販売の救済としてクーリングオフ制度があって、一定期間内であればキャンセルが利くように定められているというのをご存じの方もいるだろう。このクーリングオフが中古車に適用されるかというと、新車も含めて購入時、売却時ともにカバーされないのであしからず。キャンセルについては、業者に損害を与えていることは事実なので、場合にはよるものの数万円程度であれば妥当ともいえる。また、契約書にキャンセルの要件があるかも事前に確認しておきたい。
トラブルになるような強引な買い取りが増えている背景には、新車の供給が滞っていたり、新車が高くなって中古車の需要が増えていることが挙げられる。さらに、オーナーが高齢化で騙しやすくなっていることも一因となっているそうだ。
クルマ買い取りだけでなく、販売面でのトラブルに巻きこまれたら、消費者ホットライン「188(いやや)」に連絡すると最寄りの消費生活センターを紹介してくれるし、クルマ売却に関しては、業界団体の一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)も相談窓口を設けているので、相談に乗ってもらえるだろう。