この記事をまとめると
■昔の輸入車は「左ハンドル」であることが一種の特徴だった
■アメリカ車は一時期右ハンドル車も用意していたがファンからは不評だった
■いま日本に正規輸入されているアメリカ車は右ハンドルだが左ハンドルを望む声も多い
左ハンドルであることはステータスだった
日本は左側通行と右ハンドルが原則だが、左ハンドル車でも運転することが可能となっている。筆者が少年時代には「スーパーカーブーム」というものがあったが、その当時のスーパーカーは母国が右ハンドルではない限りはほとんど左ハンドル車であった。あるとき近所のスーパーでスーパーカーの撮影会があったとき、そのスーパーカー(母国は左ハンドル)は右ハンドルだったので、友人と「あれは偽物だ」ということになった。
しかし、大人になってから左側通行の国で左ハンドル車の走行が認められていない地域向けに右ハンドル車のスーパーカーがあると知っていささかショックを受けたのを覚えている。
筆者の聞いた限りでは、太平洋戦争終結後に進駐してきた連合国軍が母国(おもにアメリカ)から持ち込んだ車両を帰還するタイミングなどで日本人に売却し、その車両を日本国内でハイヤーやタクシーなどで活躍させるため左ハンドルもOKになったと聞いている。
バブル経済も経て、日本のサラリーマンでも平気で輸入車をマイカーとして持つようになり、人気のドイツ車(本国は左ハンドル)を中心に、輸入車でも右ハンドル車が「標準」ということも珍しくなくなっている。しかし、本来なら本国が左側通行で右ハンドルが標準となるイギリス車でも、あえて左ハンドル車で乗る人もいる。
過去にはアメリカから中古車として輸入された左ハンドルのイギリス車も目立ったとのことだが、最近は「複数保有している輸入車が左ハンドルなので、それにそろえる」といった理由で選択できるのならば、イギリス車でも左ハンドルを選ぶ人もいるようだと聞いている。