アジアのモーターショーは新車の即売会! 先進諸国とはまったく違った熱気が溢れていた

この記事をまとめると

■欧米のモーターショーは近年盛り上がりに欠けている

■一方でアジアのショーはいまだ活気がある

■最新車や技術の展示というよりも市販モデルの即売会的意味合いが強い

近隣ディーラーの腕利きセールスマンが揃う!

 欧米は航空運賃が高いだけではなく、現地における物価高も“ハイパーインフレ”レベルでなかなか行けないだけではなく、オートショーも“オワコン”傾向が強くネタに乏しい。そこで最近はアジア地域のオートショーへ出かける機会が多くなった。

 日本を除けばそもそも世界のオートショーは販売促進を目的とした“トレードショー”的色彩が強いのだが、アジアのオートショーはさらに“展示即売”というか、その場で受注を取ることを重視しているのが大きな特徴。話を聞くとショー会場周辺地域にあるディーラーより選りすぐりの敏腕セールスマンが選抜され会場内での販売促進活動を行うとのこと。ショー会場へフリーで訪れた来場者へのアプローチのほか、ショーによってはオートショーへの無料招待券を新車購入見込み客に渡して会場に呼んで受注へ向けさらにプッシュしたりもするとのこと。

 また主催者としてはそのような傾向もあるので、開催期間中の成約台数を重視する傾向もあるようだ。“ウチのショーへブースを構えるとこれだけ新車が売れますよ”と、出展へ向け各メーカーに営業アプローチするツールとして有効となっているようなのである。そのため、そもそも店頭受注が可能だったお客へ無料招待券を渡してショー会場にきてもらい会場内で正式受注し、ショー開催期間中の受注実績としてカウントすることもあると聞いたことがある。

タイのモーターショー会場で売れたフォレスター。SOLDの札が見える

 2024年2月、インドネシアの首都ジャカルタ市で開催された“IIMS2024(インドネシア国際モーターショー2024)”もその傾向は変わらなかった。開催初日はプレスデーとして報道関係者のみ会場内に入ることができたのだが、夕方近くにもなるとどのような手段を講じたかはわからないが、ベビーカーを押す若夫婦など明らかに報道関係者とは思えない人たちの姿もめだってきた。

 2日目以降は一般公開日となるのだが、そうなると写真のように多くのメーカーブースでは入口にセールスマンによる“ひとの盾”が出現する。ブースを訪れた来場者にセールスマンが張り付き販売促進活動を行うためにブース入口に並んでいるのである。プレスパスを首に下げ、どう見ても外国人にしか見えない(本人だけそう思っている?)筆者にも、ドアを開けて内装を撮影しようとしていたりするとセールスマンが駆け寄ってくる。

 開場直前には各メーカーブースでセールスマンを集めて“朝礼”が行われるのだが、気合いを入れるためか、各ブースからは大きな掛け声が聞こえてくるのもアジアのオートショー“あるある”のひとつ。クルマだけ見たい人にとっては少々“ウザい”かもしれないが、これも“オートショーの原点”のような風景として筆者は微笑ましく見ている。

インドネシアモーターショーのブース風景

 とはいってもここ最近は新車だけ展示すれば十分集客することができなくなっているのか、会場中庭には大きなライブ会場ができていた。聞くところでは開催期間中は夜中まで人気アーティストを呼んでライブが行われるとのことである。会場内の飲食ブースもかなり充実しており、単なるトレードショーではなく、“新車のお祭り”的ムードも添えて盛り上がりをはかろうとしていた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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