この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2024が開催
■マツダブースにはスーパー耐久車両3台が展示されている
■市販化される可能性についてメーカーに聞いた
市販化される可能性は?
それはホール1最奥の一角で、シャドーからハイライトまでキレイにキマった柔らかライティングで、遊興施設か街道中華のような照明の多い自動車系サロンのなかで、異彩を放つ大人の雰囲気であることは間違いない。マツダのブースの話だ。
ほんのりと浮かび上がるように照らされた先には、「ロードスターCNFコンセプト」や「マツダ3バイオコンセプト」といった、マツダスピリットレーシングのスーパー耐久車両3台が並べられている。
既視感のあるブースの構え自体は、ほとんど東京オートサロンと同じで、ブース現場で対応してくれたマツダのデザイナー氏によれば、「タイミングの都合で福祉車両仕様のロードスターだけは持ってこられなかったのですが、ほかは全部一緒。東京~大阪と舞台を移すにあたって、間引きしていいものは一台もありません。マツダの地元・広島が遠くないというのも多少ありますけど、出るなら全国どこでも同じように、関西のファンの方々にもマツダのすべてをご覧いただきたいですから」。
さすが、「スピリット」を走りで語ったら自然と熱量がこもる、それがマツダだ。
さて、そのS耐車両以外に展示されている2台のモデルにスポットを当てよう。東京オートサロンでの発表時からウワサされ続ける、「マツダスピリットレーシング」の市販モデル化、具体的には今回も展示されているロードスターとマツダ3は、この仕様のまま市販プロダクトとして発売されるのだろうか?
「いえ、まだこれは最初のプロトタイプということで、いまあるベース車両やコンポーネント、マイナーチェンジ後のシャシーや2リッターエンジンを用いてどこまでできるかを突き詰めた仕様です。折角、スーパー耐久でレース活動をしていて、お客さんに観てもらうだけではなく同じ世界観の環のなかに入っていただくこと、実際に公道を走れるクルマで自ら体験してもらうには、やはり市販モデルはあって然るべきだろう」と。
それが社内のコンセンサスで、プロトタイプを開発に端を発するプロジェクトチーム自体は立ち上がっているという。
「ここからさらに次のプロトタイプを作り込んで、お客さんのフィードバックを聞いて採り入れて、そこから市販化できる仕様に落とし込んでいくということでしょうね」
市販化までのプロセスあれこれについては、じつに流暢に話してくれるのだが、実現の可否もしくは確率は? と尋ねると、「そこがいま、トップシークレットなんですよ」と煙に巻いてくれる。裏を返せば、市販化の実現への道筋をつけられるか否かは、実車を目の前にした来場者の声による、というわけだ。