この記事をまとめると
■路上駐車スペースを設置するルールや利用時の注意点について解説
■路上駐車スペースは幹線道路や歩道と車道の区別のない道路、狭い道路などには設置することができない
■いまどきのクルマはスペースに収まらない程狭い路上駐車スペースもあるが、寸法が見直される可能性は少ない
路上駐車スペースの設置には細かな基準があった
以前は建物だったのに、いつの間にかコインパーキングになっていたという場所を見かけることはありませんか? 事実、コインパーキングをはじめとする時間貸し駐車場の数は増加しています。それと同時に減りつつあるのが、パーキングメーターやパーキングチケット発給機のある路上駐車スペースです。今回は、減りつつも便利な路上駐車スペースに駐車する際の注意点やどのような場所に設置されているのかなどを解説します。
道路上に駐車枠を設置するためのルール
パーキングメーターやパーキングチケット発給機がある道路上の駐車枠(時間制限駐車区間)には、設置に関するルールがあります。
駐車場法施行令第2条に「路上駐車場の配置及び規模の基準」と定められていることからも、基準を満たしていない場所に駐車スペースを設置することはできません。
条文には、さまざまな基準が明記されているため、ここではその一部を紹介します。
【駐車場法施行令第2条より一部抜粋】
・路上駐車場は、主要幹線街路に設置しないこと。ただし、分離帯その他の道路の部分で道路の交通に支障を及ぼすおそれの少ないものに設置するときは、この限りでない。
・路上駐車場は、歩道と車道の区別のない道路に設置しないこと。ただし、幅員が8m以上ある道路の歩行者の通行および沿道の利用に支障を及ぼさない部分に設置するときは、この限りでない。
・路上駐車場は、歩道と車道の区別のある道路にあっては、その車道の幅員が6m未満の道路に設置しないこと。
・路上駐車場は、縦断勾配が4%を超える道路に設置しないこと。ただし、縦断勾配が6%以下の道路で、歩道と車道の区別があり、かつ、その車道の幅員が13m以上のものに設置するときは、この限りでない。
・路上駐車場は、陸橋の下または橋に設置しないこと。
条文からもわかるように、幹線道路、歩道と車道の区別のない道路、車道の幅員が6m未満の道路などに設置できないことが定められています。
一般的な駐車場の寸法
国土交通省が公表している「駐車場設計・施工指針について」には、駐車マスの大きさの原則について記載されています。
【国土交通省「駐車場設計・施工指針について」より一部抜粋】
表記例:設計対象車両=長さ×幅員
軽自動車:長さ3.6m×幅員2.0m
小型乗用車:長さ5.0m×幅員2.3m
普通乗用車:長さ6.0m×幅員2.5m
小型貨物車:長さ7.7m×幅員3.0m
大型貨物車およびバス:長さ13.0m×幅員3.3m
※駐車マスの大きさは、設計対象車両に応じて上記に示している値以上が原則となります。
このような指針があるものの、路上駐車枠は道路幅の規定やその他道路利用者の通行に影響を及ぼさないサイズにしなければなりません。そのため、路上の駐車枠は、国土交通省が公表している指針の値以上になっていない場合が多いです。さまざまな規制があるなかで作られる路上駐車スペースのサイズは、長さ5m前後×幅2m前後が一般的と言えるでしょう。