この記事をまとめると
■悪天候時に後続車に自車の位置を知らせる目的で「リヤフォグ」は有効だ
■ヨーロッパでは50年ほど前から装着がルールで決められている
■日本では間違った使い方をする人が多く、「リヤフォグ不要論」が出るほどになっている
間違った使い方をする人多数で後続車は大迷惑!
どうも日本のドライバーは、灯火類の使い方を理解していないというか、上手に使いこなせていない人が多いようだ。
ウインカーを点けない、あるいはギリギリまで点けない。日没近くになってもヘッドライトを点けない(日没30分前にヘッドライトを点灯する「トワイライト・オン」がおすすめ)。夜間、対向車や前走車が存在しないのにロービームのまま走り続けたり、雨が降ったり、霧が出ても無灯火やスモールランプで走ったりと、灯火類の使い方については消極的な人が目立つ。
そうしたなか、たびたび話題に上るのが(晴天時の)バックフォグの問題。
バックフォグは濃霧時の追突事故を減らすために、ヨーロッパで装着が義務付けられたルール(1975年)。
フォグランプとは、文字どおり、Fog=霧のときに使用するもので、濃霧や豪雨、吹雪といった悪天候のときに、自車の存在を後続車に知らせるためには極めて有用。
その反面、リヤフォグはブレーキランプと同等の明るさがあるため、晴天時に点けると、後続車に対する一種の目潰し攻撃にしかならないので、視界不良のときに限り点灯するのが正しい使用方法。
ところが、リヤフォグの存在(機能)を知らない人が何かの拍子にスイッチに触れて、リヤフォグを点灯したまま常時走ってしまったり、荒天時に点けたことを忘れてしまい、それっきりになっていることがままあるのは事実。その結果、各地で好天時のリヤフォグが迷惑となっており、「リヤフォグ不要論」が根強くささやかれるのが現状だ。
もちろん、このケースで悪いのはリヤフォグではなく、ドライバーの使い方。
霧が出たときや近年増えているゲリラ豪雨などの強い雨、そして雪や吹雪の際は、リヤフォグを使うことで確実に安全性が増すので、むしろ積極的に使用して欲しいぐらいだ。そのうえで、利用後はドライバーが確実に消灯することが大事。
フールプルーフ(人がミスをしようとしてもできないようにする工夫)は難しいとされているが、とりあえずエンジンを切ったら、自動的にリヤフォグも一度リセット(OFF)になるように設定してもらえると、かなり誤用が防げると思うので、メーカーサイドにはこの改良を強く検討を望みたい。
例えは悪いが、「馬鹿と鋏は使いよう」。リヤフォグだって上手に使い、視界不良時の安全性向上に役立つよう、ドライバー自身ももっと灯火の使い方に熟知して、成熟していくことが最重要だ。