この記事をまとめると
■踏切内で鉄道とクルマの事故が発生することがある
■踏切事故のほとんどは「前方不確認」や「高齢ドライバー」による事故だ
■賠償する場合は1000万円あたりが上限で、理由次第では減額や免除される場合もある
電車と事故を起こすと賠償ってどうなる?
事故は減ってはいるけどなくならないもの。ニュースでも目にして、「大変だな」と思うのが鉄道関係の事故だ。鉄道での事故というと人身事故がお馴染みで、クルマとなると走る場所が区別されていて、勝手に立ち入るのはかなり難しいことから、誰でも簡単に進入できる踏切での事故が多い。遮断機が下りているのに無理して進入したり、前方確認不足で行けると思ったら詰まってしまったなど。
MT車が減ったので踏切内でエンストというのは激減したが、最近多いのはここでも高齢ドライバーが原因のもので、「行けると思った」や「道路と間違えて入った」というものが多く、ひと口に鉄道事故と言ってもパターンはいろいろだ。
いずれにしても相手が鉄道だけに、事故を見ると「大変だな」と思うわけで、一番気になるのはその賠償だろう。不謹慎かもしれないが、人身事故を起こすと遺族に何百万という賠償金が請求されるという話を耳にすることもあってなおさらだ。
じつはクルマの場合、すべて請求が来るとは限らなくて、その理由は民法709条に「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」というものがあるから。この内容を踏まえると、人身事故やいたずらなどは故意なので請求されるのは当然として、クルマの場合、故障や間違いなどによっても起こるので、そうなると請求はされないことになる。
では、無理やり突破しようとして閉じ込められてぶつかった場合などのケースの場合、どれくらいなのかというと、これは規模や状況によりけり。基本的には営業補償、車両修理費や復旧での人件費などの実費となって、よほど酷い場合でなければ1000万円以下といったところ。また、全額請求ではなく、相手との話し合いをした上での和解金として、実際よりも少ない金額になる場合がほとんどとなる。
この際、鉄道会社にも落ち度があったとすると、その分が割り引かれるのはクルマの事故と同じ。たとえば遮断機が下りなかったり、踏切の点滅が見えづらかったりした場合は、減額や請求されないということになる。
このように支払わなくていい場合があるとはいえ、事故は起こさないのが基本だけに、交通ルールを守って運転するようにしたい。