この記事をまとめると
■GRヤリスにプロドライバー2名の名前を冠した限定車が登場
■バスチャン・オジェ エディションは大人な雰囲気漂うシックな仕立てとなっている
■カッレ・ロバンペラ エディションは専用塗装施した派手な塗装となる
GRヤリスに特別な限定車が現る!
ラリードライバーの名を冠した特別仕様車と言えば、まず思い浮かぶのが「ランサーエボリューションVIトミー・マキネン エディション」。また、1992年に限定発売された「セリカ GT-FOUR RC」は、海外で「セリカ GT-FOUR カルロス・サインツ リミテッドエディション」として発売されているが、いずれにしろ、ラリードライバーの名称が付くモデルは、それほど多くはない。
そんななか、2024年1月25日に発表された進化型GRヤリスRZ(6速MT)をベースに、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのドライバーの名を冠した特別仕様車が、なんと2台一挙に登場した。
2024年のWRC第1戦ラリー・モンテカルロにてお披露目された「GRヤリス RZハイパフォーマンス セバスチャン・オジェ エディション」と「GRヤリス RZハイパフォーマンス カッレ・ロバンペラ エディション」は、2023年の東京オートサロンに出展したコンセプトモデルが市販化されたものだ。それぞれの好みを反映した両選手のお墨付きである4WD制御モードを備えるなど、特別仕様車ならではのスペシャルな内容となっている。
2013〜2023年の11年間でWRCのドライバーズタイトルを8回獲得しているレジェンド、セバスチャン・オジェ選手の特別仕様車「GRヤリス RZハイパフォーマンス セバスチャン・オジェ エディション」は、『あまり目立たずシックに、でも特別感を出したい』というオジェ選手の希望により、専用のボディカラーとして「マットステルスグレー」を採用。
ブラッククリアを塗り重ねることでカーボンの模様を見えにくくしたという新開発の軽量ラリースポイラー(CFRP製)も装着され、機能性を高めている。さらに、オジェ選手の出身国であるフランス国旗をモチーフにした加飾をフロントグリルとBBS製アルミホイールに追加。ブレーキキャリパーもブルーに変更されている。
インテリアでは、ステアリングホイールのステッチ色を、フランス国旗をイメージさせるブルー×グレー×レッドのトリコロールカラーに変更。シフトブーツ・パーキングブレーキカバー・シートのステッチはグレーとなる。
4WDモードは、標準車両のGRAVELモード、TRACKモードと置き換える形で、MORIZOモードとSEB.モードを搭載。MORIZOモードは、トラクション性能と旋回性能を高い次元で両立させるため、加速時は前後輪の拘束力を最大(直結)とし、制動時は必要分だけ拘束を緩める仕様。
モリゾウこと豊田章男会長が走り込んで導き出した駆動力配分をオジエ選手が気に入り、採用に至ったという。
また、SEB.モードは、前輪の旋回性を確保しながら、後輪の駆動力による車両コントロールを可能にするため、後輪寄りの前後駆動力配分とした仕様。車両との一体感を味わえるほか、高速で車体をコントロールすることにより、タイム短縮に寄与するという。