この記事をまとめると
■ポルシェは356誕生75周年記念スタディモデルの「ヴィジョン357」と「ビジョン357スピードスター」を公開
■クーペのビジョン357はエアロダイアミクスを意識しながら1948年当時の356クーペの姿を巧みに再現
■ヴィジョン357スピードスターのベースは「718 GT4 e-パフォーマンス」で最高出力は1000馬力級に達する
ポルシェ初の量産車である「356」の後継モデルの発売なるか?
昨2023年に、スポーツカー(すなわち356 No.1ロードスター)誕生75周年のアニバーサリーイヤーを迎えたポルシェ。ここで紹介する「ヴィジョン357」と「ヴィジョン357スピードスター」の両モデルは、それを祝するためにポルシェ自身が製作したスタディモデルだ。
まず、2023年1月に発表されたのは、クーペボディを持つヴィジョン357で、そのスタイリングはより高性能なエアロダイアミクスを意識しつつも、1948年当時の356クーペの姿を巧みに再現したもの。
とりわけ特徴的なのはヘッドライトまわりのデザインで、滑らかなフロントフェンダーのラインには最初に発行された356クーペのカタログに描かれた曲線が巧みに表現されている。コンパクトなキャビンの造形もまた、356クーペのそれと同様で、スポーツカーとしての速さを直感的にイメージさせる。
さらに、Aピラーをブラックアウトし、サイドウインドウとの一体感を演出、リヤにはスリットを再現するなど、356クーペからインスピレーションを得たディテールは数多く、その一方で前後フェンダーをダイナミックな造形としたことなどに証明されるとおり、それが単なるレトロフィットとして製作されたモデルでないことを主張する。
ヴィジョン357のベースとなっているのは「718ケイマンGT4 RS」で、ならばミッドに搭載されるエンジンは、4リッターの水平対向6気筒。最高出力は500馬力というスペックのはずだが、ヴィジョン357に関しては、残念ながら詳細な数字は発表されていない。
だが、ポルシェファンにとってこのモデルからヴィジョンの名が外されることは何よりの喜び。実際ポルシェでもその議論は進められているという噂もあり、ファンとしては気になるところだ。