魚介もタコメーターも関係なし! トラックの後ろに書いてある「デジタコ」って一体なに? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■デジタル式の運行記録計のことを「デジタルタコグラフ」=「デジタコ」という

■「デジタコ」装着車両の稼働状況を把握するために利用される

■より正確な労務管理のためにタコグラフがデジタル化された

かつてタコグラフはアナログ式だった

「デジタコ」という名だけを聞けば、なんだか鮮魚輸送トラック関係者の間で使用される隠語のようだが、じつは両者の間には何の因果関係もない。

 これは「デジタルタコグラフ」の略で、デジタル式の運行記録計のことだ。クルマの運行中における走行速度などの変化を記録する装置で、当該車両の稼働状況を把握するために利用される。よく混同されるものに「タコメーター(回転速度計:クルマの場合はエンジン回転数を表示)」があるが、名前が似ているだけで機能・用途ともにまったく異なるものだ。

 運行状況を記録する装置だから自家用車には必要はないのだが、営業車両の場合は運行管理・労務管理・安全走行などの観点から、必要性の高い装置だといえよう。1962年に運輸省(現・国土交通省)が所管する道路運送車両法に基づき、装着を義務化する車両が指定された。現在、トラックは「車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上」の車両が、取り付け義務を要する対象になっている。

 当初のタコグラフはアナログ式で、それは現在でも残っている。タクシーは時計の裏側に、トラック・バスはスピードメーターの裏側に設置されているのが一般的だ。円盤状の記録紙に、走行速度に応じた線が引かれる構造になっており、1枚で24時間に対応している。記録紙の外周(通常のグラフなら横軸にあたる)には時間が刻まれ、半径(通常のグラフなら縦軸にあたる)には速度のメモリがあり、記録されている線は「何時に何km/hで走行していたか」を示す。内側には、走行距離がわかるグラフ(そのほか、エンジン回転数などを記録するものもある)があった。

 この結果から連続走行時間といったデータはすぐに読み取れるものの、運行状況などは走行ルートわからなければ解析しにくい。安全走行・労務管理が厳しくいわれるようになるにつれて、アナログ式ではそのニーズを満たすことが難しくなっていったわけだ。そこで、登場したのがデジタコなのである。


新着情報