デコトラ乗りって運送業じゃないの!? 伝説のデコトラ「夢千代丸」のオーナーはうどん屋経営者だった

この記事をまとめると

■ド派手な飾りやペイントでアートアップを施したトラックのことをデコトラと呼ぶ

■運送業だけでなく、さまざまな職業の人がデコトラを所有している

■今回はうどん屋「浅田屋」を経営する佐野静馬さんにお話をうかがった

うどん屋さんが所有しているデコトラの魅力に迫る!

 “デコトラ”と言えば、ド派手な飾りとペイントでアートアップを施したトラック、と想像できるハズだ。そんなデコトラを所有するオーナーは、どんな人なのかご存じだろうか?  「イカツイ」「コワい」という先入観は間違いだとキッパリいえる。運送業だけではなく、さまざまな職業の人がデコトラのあるカーライフを楽しんでいるのも事実。今回は三重県の有名デコトラオーナーの意外な事実を紹介しよう。

 今回の主人公は、三重県の東員町でうどん屋「浅田屋」を経営する佐野静馬さん。佐野さんの愛車「夢千代丸」のベース車両は三菱ふそうキャンター。なんと昭和57年式! 40年も前のレトロなトラックだ。父親が新車購入して以来、亡き兄と二人三脚でステンレスパーツの製作やペイントなどの塗装もすべてハンドメイドで製作した、他にに類を見ない1台だ。

 日本中を熱狂させた第2次デコトラブームが巻き起こった1980年代。そのブームの真っただ中に、アートトラッククラブに入会した佐野さん兄弟。当時のデコトラ専門誌の人気投票で「八代亜紀賞」を受賞するなど、あっという間に一躍デコトラ界のスターダムに駆けあがった。

 さらにその人気を決定づけたのは、かつてテレビ東京系列で全国放送された伝説のデコトラ出演TV番組「激突!!トラックレースグランプリ」番組での激走だろう。全国区で一躍有名になった佐野さんと夢千代丸。当時は毎日夜遅くまで、佐野兄弟や仲間達がトラックの改造作業に夢中になっていたそうだ。

 デコトラブームが去って、デコトラ業界の表舞台からは遠ざかっていたが、地元の仲間や後輩たちには変わらず慕われ、本業のうどん屋には関係のないトラックを所有し続け、デコレーションを続けた佐野兄弟。

 そして時は流れ、令和5年の秋に久しぶりにアートトラックイベントに参加した佐野静馬さんと夢千代丸。

 全国のファンがその変わらぬ勇姿を見ようと、夢千代丸のまわりには人だかりができていた。運送会社のトラックドライバーでもない佐野さんが、トラックを所有し飾る理由は、「デコトラが好きだから」。この単純なモチベーションを40年も変わらず貫く姿勢に驚かずにはいられないデコトラ界の偉人なのである。

 今回、自慢のデコトラ夢千代丸を紹介してくれた佐野静馬さん。父親が開業したうどん屋とキャンターを引き継ぎ、亡き兄の息吹さんと二人三脚で愛車夢千代丸を創り上げた達人だ。うどん屋の浅田屋は街道沿いに大型駐車場も完備してあり、地元客からトラックドライバーにも愛される名店なので、ぜひ立ち寄ってみて欲しい。


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