突然の雪予報で慌てて物置のスタッドレスに履き替え……ってそのタイヤは大丈夫? 「もう寿命がきているタイヤ」の見極め方 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■雪の降らない都心部ではスタッドレスタイヤをたまにしか使わないユーザーも多い

■長期保管したタイヤは、使う前に残り溝や製造年、ひび割れの確認をするのがオススメ

■月に1度は空気圧のチェックも忘れないように行いたい

長年保管してるスタッドレスは今年も使ってもいい?

 今年も冬真っ盛り、都心でも零下の日がぽつぽつ出てきて、手袋がないと通勤通学の外出時も手先がかじかんでしまう状況もけっこう気になりますよね。

 都心での初雪がニュースになるのも毎年この時期でしょうか。それに備えて準備していれば慌てなくても済みますが、「今年は暖冬だって言ってるから降らないでしょ」と高をくくっている人は、急な降雪でアタフタしてしまうのも風物詩のひとつになっている感があります。

 おそらくそんなタイプの人は、手持ちのスタッドレスタイヤの状態についても「まだ3年目だし大丈夫でしょ」という感じで、とくに心配していないというケースが少なくないのではないかと思います。

 実際のスタッドレスタイヤの状態は、保管の環境や使う頻度などでけっこう異なるケースが多く一概に言えないので、それぞれのケースで個々の確認が必要になってくるのですが、では、「どうやってその状態を確認すれば良いのか?」、その基準や目安がわからないという人もけっこういることでしょう。

 ここではそんなスタッドレスタイヤの状態を確認する方法について紹介していこうと思います。

■まずは「プラットホーム」のチェックから

 スタッドレスタイヤはその特性から、夏用タイヤに比べてゴムの質が柔らかいのが特徴です。そのため、同じ距離を走った場合は減りが早くなっています。

 なので「まだ2万kmも走ってないからそれほど減っていないだろう」という感じで夏用タイヤの感覚で考えていると、実際に確認してみたら想像よりだいぶ摩耗していた、というケースもけっこうあるようです。

 具体的な数字でいうと、かなりザックリですが、1万5000kmが交換の目安と言われています。摩耗具合は、約3000kmで1mm減るというのが通説なので、プラットホームが露出するまでの5mmの摩耗の距離が1万5000kmとなります。

 さてここで「プラットホーム」ってなに? という疑問を抱いた人もいるでしょう。プラットホームというのは、スタッドレスタイヤの性能が維持できる限界の状態を示すインジケーターの役割を示す部分の名称です。

 スタッドレスタイヤにはサイドウオール(側面)に外向きの矢印の刻印が4箇所に記されています。その矢印の延長線上のタイヤの接地面をよく見ると、太い溝の奥に、ちょっと出っ張っている部分があります。上の面が細かいスリット状になっているので、側面の矢印を見なくても夏用タイヤのスリップサインとの区別ができます。

 スタッドレスタイヤというのは、「サイプ」と呼ばれる接地面のブロックに刻まれた細い溝がグリップのキモになっています。その溝が少なくなるとグリップ性能が半減しますので、その限界を知らせるのがこの「プラットホーム」です。

 気をつけて欲しいのは、スタッドレスタイヤにも「スリップサイン」は存在するという点です。こちらは出っ張りの上の面がツルッとしていて、プラットホームより山が低くなっています。この「スリップサイン」は雨の日の排水性が保てる限界を示すインジケーターですので、ここまで減ってしまったスタッドレスタイヤは、そもそもタイヤとしての性能が終わってしまっているんです。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

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スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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