この記事をまとめると
■MT車の新車販売比率はたった1.5%程度となっている
■AT車とMT車が設定されている車種では前者のほうが10万円ほど高い場合が多い
■装備や生産台数の都合で価格が設定されているので、両車の間で価格差が出る
いまはMT車がほぼ絶滅状態!
いまの乗用車のトランスミッションでは、ATの販売比率が圧倒的に高い。クラッチペダルを備えたMTの比率は1.5%程度だ。この背景には、ATシステムの進化、機能的にMTを設定しにくいハイブリッドが乗用車の約50%に達したこと、1991年に創設されたAT限定免許が30年以上を経て定着したことなどが挙げられる。
しかし、普通運転免許を取得する人に占めるAT限定の割合は、70%を少し超えるくらいだ。残りの約30%の運転免許取得者は、MTも運転できる。
それなのにMTの販売比率が2%以下に留まる背景には、MTを選べる車種を購入しにくくなった事情もある。
MTは運転を楽しむことを目的にしたスポーツモデルに多く搭載されるが、いずれも価格が高い。スイフトスポーツのような6速MTを備えた走りの楽しいクルマが200万円少々で用意されると、MT比率も高まるが、いまは手頃な価格で買える運転の楽しいMT車が少なすぎる。
そこで、ATとMTの価格を比べると、車種によって設定が異なる。たとえばマツダ3の場合、スカイアクティブXを搭載するグレードではATとMTを同じ同価格としている。フェアレディZ、スープラRZ、シビックの1.5リッターターボ搭載車、新型スイフトなどもATとMTが同価格だ。