この記事をまとめると
■東京オートサロン2024が開催され、BYDが「シール」を展示
■「シール」は日本導入第3弾となるEVファストバックセダン
■「シール」は前後にモーターを装備するAWDで最高出力は390kWの性能を有している
「ブレードバッテリー」と呼ばれる新技術に注目
1995年に、中国でバッテリーメーカーとして設立された「BYD」。2003年から自動車産業に参入し、2022年にはガソリン車からEVへの完全なシフトを完了。中国におけるEV販売では9年連続の第1位を記録し、現在は販売台数世界1位のEVカンパニーとなっている。
日本市場への参入は、EVバスの販売から始まっており、2023年にはミドルサイズSUVの「ATTO 3」と、コンパクトモデルの「DOLPHIN」の導入を開始。そして、2024年の春には、スポーティなスタイリングが目を惹くファストバックセダンの「SEAL」の発売が予定されている。
新興勢力として躍進を続けているBYD。なかでも注目を集めているのは「ブレードバッテリー」と呼ばれる新技術だ。熱安定性が高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用することで、より高い安全性を目指したものなのだが、現在主流となっている三元系リチウムイオンよりもエメルギー密度が低くなってしまうのが弱点。そのため、より多くのバッテリーを積まなければならなくなってしまうのだが、それを補う形でBYDが開発したのがブレードバッテリーだ。
バッテリーのセル自体を構成部品とすることで、空間利用率を50%も改善。限られたスペースに、より多くのバッテリーを搭載することが可能となっている。バッテリーメーカーならではの技術が積み込まれたSEALは、1回の充電で555kmもの航続距離を実現。走りもパワフルで、前後に1基ずつのモーターを装備するAWDモデルのパワーシステムを総合した最高出力は390kWと発表されている。
全長4800mm・全幅1875mmの流麗なスタイリングは、その名がしめすとおり海獣のごとき艶かしさとエレガントさを兼ね備えたもの。
インテリアに目を移せば、インパネに備えられた2種類の大型液晶が未来を感じさせるが、室内の雰囲気自体は非常に落ち着いた大人空間となっている。
果たして、中国を制覇したトップメーカーが放つハイエンドセダンが、日本市場に放つインパクトはいかに。