歴代でもっとも売れた! GT-Rはたった200台程度しか作られなかった! 「ケンメリ」と呼ばれる4代目スカイラインの伝説 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■「ケンメリ」という愛称で親しまれた4代目の日産スカイラインを紹介

■広告でのキャッチコピーがそのまま愛称になりCMソングやCMのロケ地が有名になった

■排ガス規制前に販売された「GT-R」は約200台程度しか作られなかった激レアモデルだ

ケンメリとは一体どんなクルマ?

「ケンメリ」というワードを耳にして「!」と反応してしまうのは、それなりに旧車が好きな人か、あるいは60代以上の人ではないかと思います。30代より若い世代の人は「ケンメリ? なにそれ、聞いたことない」という感じかもしれません。

「ケンメリ」というのは、1972年から発売された4代目「日産スカイライン」のニックネームです。

 ここでは「ケンメリ」スカイラインに焦点を当てて、そのニックネームの由来や、クルマとしての特徴、いまはどんな存在として受け継がれているかなどを掘り下げてみましょう。

■スカイラインがなぜ「ケンメリ」と呼ばれているのか?

 この4代目の「日産スカイライン」、ちゃんと「スカイライン」という名称がメーカーから与えられているのに、なぜ「ケンメリ」というニックネームのほうで呼ばれているのでしょうか?

 まずは「ケンメリ」の名前の由来からいきましょう。

「ケンメリ」というのは「ケンとメリーのスカイライン」という、販売プロモーションのキャッチフレーズから取られた呼び名です。

 もう少し詳しく説明しましょう。広告でキャッチフレーズを立てるイメージ戦略の方法は、先代の3代目「スカイライン」、通称「ハコスカ」のときから行われてきました。そのキャッチフレーズが「愛のスカイライン」です。

 3代目のスカイラインは、角張った印象のデザインや、レースでの強さを証明したことなどから硬派なクルマというイメージで認識されていて、広告に使われた「愛の〜」という優しいイメージと合わず、結果的にその形状を由来とする「ハコスカ」というニックネームで定着しました。

 その後で登場した4代目のキャンペーンのときも「愛の〜」というキャッチフレーズは引き継がれましたが、4代目はそのときの時代の雰囲気に合わせてファッショナブルさを前面に押し出す方針となり、具体的なキャラクターを立ててイメージを強めようということで、日本とアメリカのハーフの男性とアメリカ人の女性というカップルを設定したのです。

 そのイメージに合う名前ということで、日本でもアメリカでも通用する「ケン」と、アメリカらしい「メリー」という組み合わせに決まったようです。

 実際にその戦略が見事に時代の雰囲気にハマり、ケンメリは先代の販売台数を大きく上まわるヒットを記録しました。オマケとして、CMソングとして使われていたBUZZによる「ケンとメリー〜愛と風のように」という曲がヒットチャートの上位に上がり、大ヒットとなったことからも、いかに人気が高かったかが窺えるでしょう。

 ちなみに、このときのCMでは北海道の美瑛町が舞台に選ばれ、広々とした草原の丘の上に1本だけ生えているポプラの木が視聴者の印象に深く残ったそうです。そしていつしかその木は観光名所としても人気を博し、いまでもその木を目当てにしたツアーが組まれたりしているそうです。スカイラインが好きだという人はぜひ訪れてみてください。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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