この記事をまとめると
■ドライブレコーダーで撮影することを規制する法律はないため撮影自体はなんら問題がない
■個人が特定できる情報が含まれている撮影動画をSNSなどで公開すると、肖像権の侵害となる場合がある
■モザイク処理やナンバー消しをしていれば名誉棄損には当たらないとされるが、みだりに映像をSNSに投稿するのは避けたほうが無難
ドラレコの映像をネットに公開するのは肖像権的にどうなの?
ドライブレコーダーの普及が進み、社用車を中心にいまや5割近いクルマがドライブレコーダーを搭載しているといわれている。
そうしたなか、気になるのは肖像権や個人情報の問題だ。
まず撮影すること自体は問題ない。というのも、公の場所を行き来する人やクルマを、ドライブレコーダーや防犯カメラで撮影することを規制する法律が見当たらないからだ(もともと人の目につくところにいる場合、撮影=不当な行為とは言い難い)。
しかし、その撮影した動画をSNSなどで公開するとなるとハナシは別。
個人が特定できるような情報が含まれていた場合には、肖像権の侵害として訴えられてしまう可能性があるので要注意。映像を公開する場合、クルマのナンバープレートを消して、ドライバーや同乗者の顔などにモザイク処理を施し、個人を特定できないようにするのが大前提。
あおり運転や当て逃げなどの被害に遭い、その様子がドライブレコーダーに映っていたとしても、SNSやインターネット上に投稿するのではなく、まず警察や弁護士などに相談するのがベスト。あおり運転などをやらかす輩は、性根に問題がある可能性が大なので、下手にインターネット上にアップしてしまうと、それが見つかった場合、反対に訴えられてしまうリスクも出てくる……。
たとえ明らかに相手に非がある行為だったとしても、それをネット上にアップし、公にしてしまうと、名誉毀損で訴えられる可能性さえも出てくる。
刑法第230条には、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」とあり、「事実の有無にかかわらず」と明記されているので、不法行為であっても、個人が特定できる情報を流すのはNGと言えよう。
基本的に、顔へのモザイク処理やナンバーが消してあれば、映像を公開しても名誉棄損には当たらないとされているが、みだりに映像をSNSに投稿するのは避けたほうが、トラブルを未然に防ぐという意味では無難だろう。