いまやアクセルペダルはゲームのコントローラーと同じ! 自動運転時代に必須の「ドライブ・バイ・ワイヤ」って何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■最近のクルマは「電子制御式スロットルバルブ」の採用が主流になっている

■操縦系の動きを電気信号に置き換えるのは航空機の「フライ・バイ・ワイヤ」由来だ

■電子制御なので、ほかのシステムと組み合わせると多彩な制御が可能となる

「ドライブ・バイ・ワイヤ」とは

 ひと昔前のアクセルペダルは、スロットルバルブとロッド、リンク類、ワイヤーなどで機械的につながる構造だった。ワイヤー式なら、ペダルを踏み込むことでワイヤーが引っ張られ、その先端につながれたスロットルバルブがアクセルペダルの踏み込み量に応じて開閉する、という動きをしていた。

 しかし、最近のクルマでは、こうした機械的な構造を持つスロットルバルブの開閉方式は少なくなり、代わって電子制御式(以下、略して電制)スロットルバルブが主流を占める状態となってきた。スロットルバルブの開閉状態をコントロールするアクセルペダルの踏み込み量を電気的に検知。これを信号電流としてスロトッルバルブに送り、そこに設けられた電気モーターを作動させることでスロットルバルブの開閉を行うというシステムだ。

 電制スロットルのメリットは、電気的にスロットルバルブの開閉を行うため、アクセルペダルの動きに対して瞬時にスロットルバルブの開閉を行うことができ、また微細なレベルで開閉量のコントロールを行うことができる特徴を備えている。

 操縦系の動きを電気信号に置き換え、モーターや油圧の力で各部を動かす方式は「フライ・バイ・ワイヤ」の呼び名で、航空機の分野では早くから普及を見せていたメカニズムだ。飛行機の場合は自動車より切迫した事情があり、安全に航空機を飛ばすメカニズムとして必要不可欠なシステムとなっている。

 どういうことかというと、航空機の基本運動である3次元方向の動きを担うエルロン、エレベーター、ラダー各部の動きを、各種センサーから得た飛行情報を元にコンピューターが判断、制御するためである。とくにオートパイロットを機能させる上で、各可動部の微細なコンロールは、人間の操作では瞬時に、正確に対応しきれない部分があるからだ。

 自動車の場合も基本的な考え方は航空機と同じで、人間が操作する機械的な動きより、人間の操作を電気信号に置き換え、モーターなどを使って各部を動作させるほうが、より正確で安全な走行状態を作り出せるという考え方が基本となっている。こうしたシステムを飛行機のフライ・バイ・ワイヤ方式になぞらえ、クルマの場合は「ドライブ・バイ・ワイヤ」方式と呼んでいる。


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