この記事をまとめると
■ドイツの速度無制限区域「アウトバーン」の追越車線を走る車種を在住経験者が振り返る
■スポーツカーよりも実用車のほうが飛ばしているイメージが強い
■日本ではスーパーカーが多そうなイメージを持つ人も多いが、実際はほとんどいない
アウトバーンをかっ飛ぶクルマの正体
日本の高速道路で右レーン、すなわち追い越し車線の常連というと、やっぱりメルセデス・ベンツのSクラスやポルシェ、最近ではレクサスLS/LC、あるいはアルファード&ヴェルファイアなんてリッチなミニバンもよく見るようになりました。ミッドナイト部門となると、GT-Rやポルシェといったお馴染みから、ゴールドラメのランボルギーニや車高短の軽自動車などバラエティも豊富。国の民度を表すともいわれるファーストレーンですが、アウトバーンの本場ではどんなクルマが常連さんとなっているのでしょう。
アウトバーンはご承知のとおり一部区間を除いて速度無制限。よって、ファーストレーンはそのクルマの最高速にほど近い速度で走るのがデフォ。大人げない言い方をすれば、スピードの速さでマウントが取れる道ということにほかなりません。すると、常連の顔ぶれは排気量の大きなクルマや、ハイパースポーツが浮かびがち。日本と同じくSクラスやポルシェなどが、300km/h近いスピードで走っていることだとご想像のとおりです。
が、ドイツで5年間暮らした経験から言わせてもらうと、猛スピードでかっ飛んでいるSクラスやポルシェを見たのは数えるほどしかありませんでした。ミュンヘンのド田舎だけでなく、フランクフルトやデュッセルドルフといった大都会周辺でも、ぶっ飛ばしていたのはBMWやフォルクスワーゲンのセダン、あるいはロールスロイス、レンジローバーといった高級車が圧倒的多数派。
どれくらいスピードが出ていたかは想像の範囲でしかありませんが、筆者はベタ踏みのメーター読みで180km/hほどで、横を通過された際の速度差や風圧などから、やはり250km/h以上は出ていたかと。
で、そういったかっ飛びドライバーのライセンスプレートを見ると、半分くらいはドイツなんですが、残りはスイスやイタリアなど周辺国でした。とりわけスイスナンバーのBMWやアウディは鬼のようなスピードで走っていることが多く、うかつにファーストレーンを180km/hくらいで走っていると激しいパッシングをされ、モタモタしてたら右側からすごい勢いで追い抜かれてしまうのです。
ドイツ人はわりとマナーがいいので、こうしたシーンに遭遇することはありませんでしたが、イタリアやスペインのファーストレーンはわりとえげつない抜き方が多かったような気がします。