この記事をまとめると
■テレビドラマではタクシーを使っての尾行や超ロング客に巡り会うことが描かれる
■フィクションのように描かれているが、実際に体験しているドライバーは存在する
■ただし数百キロ単位のロング乗車は調整が必要な場合が多く、あまり現実的ではない
タクシードライバーはドラマのような体験をしている?
テレビドラマ、とくに「刑事もの」を見ていると、たとえば徒歩で移動している容疑者を刑事が尾行していると、急に容疑者がタクシーを停めて乗り込んでしまったという場面がよくある。そして尾行していた刑事があとからきたタクシーを停め「前のクルマを追いかけてください!」という展開へとよくなっていく。閑静な住宅街なのに頻繁に空車のタクシーがくるような場面については、タクシーの稼働台数が少なくタクシー不足が叫ばれるいまでなくとも、「そんなに走っていないのでは?」と突っ込みを入れたくなるような、非現実的な光景にも見えてしまうが、そこはテレビドラマだからと納得するようにしている。
実際にこのようなシチュエーションが果たしてあるのかとい言えば、意外なほどタクシー乗務員は遭遇しているようだ、実際に刑事が尾行を頼んでいるのか、それとも民間人がほかの事情で頼んでいるのかについては、乗務員としては「なんで追いかけるのですか?」とは乗客に聞くこともなかなかできないので、はっきりしないようだが、民間人レベルで“わけあり”で尾行を頼むケースが多いようである。
ちなみに、あるドラマを見ていたら、尾行していたタクシーがあるホテルに停まったので、少し手前に尾行していたタクシーを停めて降りるときに、「お釣りは結構です」といって現金決済して降りるシーンがあった。チップ文化のない日本なのだが、タクシーにおいては、「お釣りをもらうのが面倒」とか、「乗務員と楽しく話ができたから」など、さまざまな理由で「お釣りは結構です」と言ってチップ代わりに渡すこともよくあるようだ。