この記事をまとめると
■日本の一部地域には黄色い矢印信号が存在する
■路面電車専用の信号に従って自動車やバイク、自転車が進行すると道交法違反となる
■路面電車が走行しない地域で暮らしている人はあらかじめ交通ルールを調べておくと良い
この信号は一体何用!?
ドライバーなら信号機の読み方は熟知しているはずだろうが、黄色の矢印信号を見たことがある人は少ないのでは?
ここでひとつクエスチョン。黄色の右矢印の信号を見て、クルマが右折。これは合法か、違法か。
答えは「違法」だ。
黄色の矢印信号は、じつは路面電車だけを対象にしたものなので、クルマやバイク、自転車が黄色矢印信号にしたがって進むのは交通違反となる。
2023年8月26日、栃木県宇都宮市に75年ぶり路面電車が開業し(芳賀・宇都宮LRT)ニュースになったが、全国的に路面電車は減少傾向。
上記の「芳賀・宇都宮LRT」以外では、
北海道(札幌市と函館市)、東京都(荒川区)、富山県(富山市と高岡市)、福井県(福井市)、愛知県(豊橋市)、大阪府(大阪市と堺市)、京都府(京都市)、滋賀県(大津市)、広島県(広島市)、岡山県(岡山市)、愛媛県(松山市)、高知県(高知市)、長崎県(長崎市)、熊本県(熊本市)、鹿児島県(鹿児島市)
の17都市しか走っていない。
それだけに、路面電車用の信号など、見たことがない人が大半のはず。
ちなみに路面電車用の信号機には、黄色の矢印以外に、赤の「×」や、ポイント部に設置される黄色の「直」「曲」、駅ホームへの入線の部の「上」「右」「左」(いずれも黄色)などの、漢字一文字の信号もある!
また、クルマなどは、原則として路面電車の軌道敷内の走行は禁止されているが、軌道敷内通行可の標識があるところでは、それが許されていたり、路面電車の利用客が乗り降りするスペースになっている安全地帯(安全地帯を示す指示標識がある)にはクルマは進入できないし、歩行者がいる安全地帯のそばを通るときは徐行する義務がある。そして、安全地帯の左側と、その前後10m以内は駐停車禁止だということも忘れずに。
普段、路面電車と無縁の地域のドライバーが、旅行などで路面電車の走っている道を走るといろいろ面食らうかもしれないが、そうした街に出かけるときは、あらかじめ路面電車のルールを確認してから、ハンドルを握るようにしよう。