【ライバル比較】レクサスLCと欧州ライバル勢を徹底分析! (1/4ページ)

LC500&LC500hが目指すのは世界水準

 さまざまな最新技術を採用したレクサスのフラッグシップクーペとして、世界的に見ても高水準のクルマへと仕上げられたLC。そのパフォーマンスは、ワールドクラスと言えるものか。能力を同クラスの競合モデルと比較しながら優位性がどこにあるか検証していこう

レクサスLC
ブランド力ではまだ海外勢に勝負しづらく強みは技術力

 海外ブランドの高級スポーツカーを扱う代理店の担当者によると「お客様の年齢が二極分化している」という。もっとも多いのは裕福なクルマ好きの中高年で、仕事で成功して可処分所得が増え、さまざまな高級車を乗り継いだのちに高級スポーツカーを買っている。その一方で20代の後半から30代の需要も厚い。IT企業の経営者などに多く、豊かさの象徴として一足飛びに高級スポーツカーに辿り着く。

 クルマの好みは年齢にあまり関係ないが、日本のメーカーはアストンマーティンやマセラティに比べてスポーツカー作りの伝統が乏しい。なおかつ国産高級スポーツカーはブランドを確立していないから、自社製品からの乗り換えを期待しにくい。技術力で勝負することになるが、この点は大きな強みになる。

LCの優位点は走りはもちろん内外装な作り込みにある

 1000万円を超えるクルマとなれば、あらゆる部分で所有する満足感を提供して然るべきだ。その点でLCは走りだけに特化せず、内外装のゴージャスなデザインや作り込みによって特別なクルマであることをつねに感じさせてくれる。スイッチやレバーといった操作系は配置や操作感はもちろん、素材の手触りもいい。

 シートは運転席、助手席ともに形状だけでなく表皮の組み合わせと相まって、優れたホールド性と心地いい座り心地を実現。どんな状況においても優雅に、あくまでも紳士的にドライブするのがふさわしいと実感させる造りがなされている。


国産で比べるなら、GT-Rは高性能なエンジンと独自の4WD機構によって走行性能が総合的に優れ、07年に発売されたときの価格は777万円と格安だった(当時の消費税は5%)。今ではピュアエディションが996万840円となるが、乗り心地が熟成され、機能を考えれば割安と言える。


NSXの価格は2370万円に達し、輸入車と同等かそれ以上に高い。スポーツハイブリッドSH-AWDは独創的で、旋回性能が高い。エジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は581馬力を発生させながら、JC08モード燃費は12.4km/Lと良好だ。

 この2車種は高出力と4WDを組み合わせて走りを磨き、GT-Rは割安な価格、NSXはハイブリッドによる優れた燃費性能を達成した。海外の強豪にブランド力で引けをとっても、独特の魅力で勝負できる。

ライバルの本命は欧州の名だたるスーパースポーツ

 LCを筆頭にスーパースポーツと呼ばれるクルマは、少量生産であるがゆえに開発、生産にコストと時間が費やされている。その分プライスは跳ね上がり、どれも1000万円超の値付けがなされている。そんなライバルの本命を挙げると、BMW6シリーズ、アウディR8、マセラティ グラントゥーリズモ、アストンマーティン ヴァンキッシュという超高額モデルだ。

 高額になればそれに見合った価値が求められるが、LCは独創性、パフォーマンスやステータスといった点でも世界の名だたるスーパースポーツに対して十分な競争力を備えている。さらにレクサス・ブランド流の品のよさ、オーナーへのきめ細かな気配りも含め、満足度の高い選択と言える。


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