Cd値は空気抵抗を計算するときに必要な「係数」
Cdというのは、空気抵抗係数のことです。クルマの空気抵抗を計算するときに必要な係数ですが、それはクルマの形状や構造によって変化します。四角いクルマよりも、流れるようなボディラインのクルマのほうが、Cd値が小さくなります。要するに、流れる空気がボディに当たって通過していくときに発生する抵抗値を、係数として取り出した数値になります。
風洞実験では、実際の抵抗値そのものを計測することになりますが、それを逆算的に計算して係数にします。その形状の空気抵抗係数を算出しておくと、その後にデータを手計算で利用しやすくなるからです。
現在はコンピュータのシミュレーションによって、演算することができるようになっています。そのため画面上でさまざまなトライ&エラーを繰り返して、最適な形状を導き出すことができるようになりました。
実際に模型を作って風洞実験するよりも、はるかに手軽でコストも時間も節約できるようになったのです。それによって空気抵抗係数は大幅に進化しました。ただし、とはいえ空気力学についてはまだまだ人間の発想が必要な分野で、空力性能は一筋縄ではいきません。