この記事をまとめると
■最近の高速道路の工事現場ではこれまで以上に規制区間が広く取られている
■規制区間を広げている理由は工事現場に突っ込む事故が急増しているからだ
■スマホを操作しながらの運転とACCの過信により停止車両に突っ込む例が増えている
便利なはずのADASが事故を招いている!?
最近、高速道路の工事現場が少し変わってきているのをご存じだろうか。もともと事故防止のため、工事をしているエリアよりも規制区間を広く取ったりしていているのだが、よりわかりやすいように工事区間の表示を大きくしたり、トラックを手前に置いたりしている。
これにはじつは理由があって、工事現場に突っ込む事故が急増しているからだ。実際、NEXCO中日本がXやYouTubeで複数の事故の映像をアップしたり、NEXCO東日本では社長会見で、取り上げていたりする。ちなみに事故の映像はかなり衝撃的だ。ただ突っ込むならいいが、作業員が犠牲になる例もあって、物的損害だけでないのは非常に深刻。データを見ても対停止車両の事故は増加傾向にある。
一般的にはかなり手前から告知がされていて、現場もパイロンや電光掲示板、誘導員による旗振りなど、さまざまな手段で工事をアピールしているにもかかわらず、なぜ気が付かずに突っ込むのだろうか。その理由は大きく分けてふたつあるとされている。
まずひとつが、スマホ運転。スマホに夢中になって工事区間に気が付かず、そのまま突っ込むというのもので、昨今、至るところでスマホ運転は見かける。信号もなく一定速度で走る高速道路は、スマホを操作しながら運転しやすいともいえ、実際に走行車線を中心にイジりまくっているクルマは多い。そうなると、工事に気が付かないというのはあるだろう。
そしてもうひとつの理由がACCによる自動運転だ。ACCは設定内で速度と車間を自動で維持してくれるもので、いまでは多くのクルマに付いている。ただ、路上の細かなものは検知しないことがあるので、そのまま真っすぐ突っ込んでしまうというもの。
ドライバーは、万が一に備えて運転できるようにしていなくてはならず、工事区間が近づいてきたらブレーキを踏むなり、ステアリング操作をするなどの回避行動を取ることが求められている。にもかかわらず、おそらくだが、ACCのスイッチを入れて運転はクルマに委ねて、そのうえでスマホをイジりながら移動していて突っ込むという複合した行為も原因のひとつだろう。
いずれにしても、工事現場に突っ込むとなると物損、そして人的な被害も大きくなることが考えられるだけに、慢心した運転はしないでほしいものだ。