この記事をまとめると
■ジャパンモビリティショー2023が開幕
■トヨタはBEVのスポーツコンセプト「FT-Se」を出展
■前後モーターをもつAWD車
話題のギガキャストを使いコストを抑える
10月25日から開幕したジャパンモビリティショー。トヨタブースにはさまざまなモデルが展示されていたが、そのなかでも多くの来場者から注目を集めていたのがオレンジのボディカラーを身にまとったスポーツコンセプトカー「FT-Se」だ。BEVのスポーツカーということだが、いつの時代もスポーツカーはクルマ好きをワクワクさせるものだ。このコンセプトカーは一体どんなクルマで、市販の可能性はあるのだろうか?
2021年末に見えていたこのFT-Seに見覚えのある人もいるだろう。初めてこのクルマが世間に披露されたのは2021年の年末のことであった。そう、トヨタがサプライズで16台のBEVを公開し話題となったときだ。あのとき、後方に配置されていたオレンジのスポーツカーこそがこのFT-Seの原型だ。
今回ジャパンモビリティショーで展示されていたFT-Seは、トヨタがカーボンニュートラル時代におけるスポーツカーの選択肢のひとつとして提案する高性能スポーツBEVモデルで、基本的なコンポーネントは横に並べられていたSUVコンセプトモデルのFT-3e、そして当日レクサスブースで発表されたLF-ZCと共用している。
ボディサイズは全長4380mm、全幅1895mm、全高1220mm、ホイールベースは2650mmとなっている。ロングホイールベース、ショートオーバーバングなスタイリングだ。
を基本的なコンポーネントを共用しているといったが、それはバッテリーを中心としたパワーユニットの部分で、走りを重視するスポーツカーとして大切なサスペンションまわりなどは独自の部分も多いとのこと。
これはパワーユニットを共通化したこと、そしてトヨタが現在開発を進めているボディ構造の一部を大きな鋳造(キャスト)部品に置き換えようというギガキャストを採用したことで、コストを抑えることが可能となったため、よりサスペンションの開発に注力できたためだそうだ。コスト面を考えているとなると量産を視野に入れているのが分かる。このコンセプトカーが2021年末に初めて登場したときは、「MR2の再来か?」など噂になったが、パワーユニットを上手くやりくりしてコストを抑えてスポーツカーを作るという手法は、FFコンポーネントを上手くMRに流用したMR2を思い出させる。