この記事をまとめると
■近年SA・PAに集合してほかのクルマに乗り合わせる相乗り行為が問題視されている
■SA・PAを使った相乗り行為相乗り行為は高速道路の禁止事項に該当している
■徒歩で高速のSA・PAに入る行為や高速のバス停に一般車が入る行為も法律に反している
相乗り行為による長時間駐車が問題となっている
近年、各地のSA・PAで問題になっている相乗り行為。
相乗り行為とは、仕事やレジャー目的のグループがそれぞれのクルマでSA駐車場に集合して、その内の誰かのクルマに乗り合わせて目的地に向かうこと。とくに一般道から直接入ることができるSAや上下線で共用しているSA・PAでの相乗り行為が目立っていて、長時間駐車の車両が多く、休憩したいクルマが駐車できないという苦情が相次いでいる。
兵庫県の姫路バイパスにある姫路SAが、2022年12月に調査したところ、130台分の駐車スペースのうち、4時間以上の長時間駐車が61台。そのうち一般道からの利用は20台で約3割。また、相乗りが確認できた車両(40台)のうち、9割以上の38台が業務・仕事目的だったことがわかっている。
これを受けて2023年9月13日の22時より、一般道から姫路SAを利用できない形態に変更することがニュースになった。
こうしたSA・PAを使った相乗り行為は、ガス代、高速代の節約になり、いいアイディアに思えるかもしれないが、そもそも相乗り行為は高速道路の禁止事項に当たる。
高速道路各社では
・休憩の目的を逸脱した長時間・長期間駐車、野宿、野営又は車上生活等を行うこと
・許可なく車両を放置したままSA・PAから立ち去ること。ウェルカムゲート以外の場所からSA・PAへ立ち入ること
を禁止しており、
「休憩の目的を逸脱した乗り合わせ行為や送迎行為等を目的とした駐車はおやめください」とNEXCOのホームページにも明記されている。
とはいえ罰則規定がないので、注意喚起や看板設置、啓発活動等をするしかなく、なかには姫路SAのように強硬手段を執らざるを得ない状況に発展するケースも……。
また、相乗りで、SA・PAにクルマを放置しなくても、ウォークインゲート・ウェルカムゲートから合法的に徒歩でSA・PAに入り、そこから待ち合わせたクルマにピックアップしてもらう例もあるが、これもじつはルール違反。
道路法に「何人もみだりに自動車専用道路に立ち入り、又は自動車専用道路を自動車による以外の方法により通行してはならない」(第四十八条十一)とあり、ウォークインゲート・ウェルカムゲートのあるSA・PAでも、そこからほかのクルマに乗って目的地に向かうことは許されていない。
さらに、高速道路内のバス停で人を乗せたり降ろしたりしている乗用車を見かけることがあるが、これも違法。
高速道路内は原則として駐停車禁止で、高速バスのバス停は許可されているバスのみが例外的に停車できる場所。乗用車が本線を離れ、高速バスのバス停に進入するのは通行禁止違反。パトカーなどに見つかれば、違反点数2点、反則金7000円(普通車)のペナルティだ。
というわけで、高速道路での相乗り行為やSA・PAでのピックアップ等は、基本的に許されないと覚えておこう。