オイル交換もやってる! 操作ミスでもない! 長年乗っているMT車のギヤが入らなくなる原因3つと対策 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■いまMT車の新車販売率はたった1%ほどと言われている

■長年乗っているとギヤが入りづらくなることがある

■不具合が起きる原因と対策について解説する

普通に乗ってるはずなのにミッションが入らなくなる理由

 大昔は「男たるものマニュアルミッションを使いこなせないのは恥ずかしい」なんて言われていましたが、そんな感覚は今は昔。「MTは化石」なんて言われたりしているのも耳にします。その世相を表す数字として、現在の市販車のMT(マニュアルミッション)の比率はわずか1%なんていうデータもあるようです。その数字を見たあとでAT限定免許の比率が7割以上と聞いても、「まあそうだよね」なんて思ってしまいますが、その一方でまだかろうじてMT車が生き残ってくれていることに胸をなで下ろす気持ちもあったりします。

 そんな絶滅危惧種のMT車ですが、旧車や走り重視派の人たちにはなくてはならない存在です。そのオーナーさんの多くは永く乗られているという傾向があると思うので、MTの不具合に悩んでいる場合もあるでしょう。ここではそのマニュアルミッションの不具合の原因と対策を紹介していきたいと思います。

原因その1:操作系構成部品の摩耗

 マニュアル方式のトランスミッションは、自動車全体のなかでも複雑な構造の部類で、多くの部品の組み合わせによって作動しています。ギヤなどはエンジンの力を伝える部品なので、硬い金属を熱処理でさらに硬度を上げて使われていますが、高負荷だったり、長距離の使用では摩耗も大きくなります。操作系の部品も同様に摩耗が起こりますが、こちらは「シフトが入りづらくなってきた」など、操作の確実性が失われていくので、運転に支障が現れやすいため気になっている人も少なくないでしょう。

 その原因を、手元に近いところから挙げていくと、グルグルと多方向に動かされるシフトレバーの球状の部分を支える樹脂パーツの摩耗によるガタ付き/シフトレバー先端の、シフトロッドを動かす部分にはまっている樹脂のカップの摩耗によるガタ付き/シフトロッドのスライドを支えるケース部分の摩耗によるガタ付き/シフトフォークのシンクロコーンを押す部分の摩耗によるガタ付き、などになります。

 このガタ付きが許容量を超えてしまうと、シフトフォークが変速用のスリーブを押す量が足りなくなって、ギヤの切り替えが出来なくなってしまうんです。

 樹脂パーツについては、金属同士の接触を避けるための用途で摩耗が前提に設計されているので、比較的に交換は容易です。ただ、製造廃止して年数が経っているものは入手の問題があります。

 金属の摩耗については、まず部品の交換で済むケースならそれがもっとも簡単ですが、それはそれでミッションの部品交換となると、ミッションを割る(分割する)必要があるので、時間と工賃は覚悟しないとならないでしょう。

 問題は交換で済まないケースです。分解したうえで、摩耗部分の補修となるので、専門知識と設備のある業者さんに依頼するしかありません。こちらの修理代は「時価」となり、費用はそのケースごとにご相談です。旧車などでは、場合によって中古の状態の良いものと丸ごと交換することを勧められるかもしれません。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

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スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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