この記事をまとめると
■昔と比べるとクルマの盗難件数は盗難防止装置のおかげで減少傾向にある
■自動車保険で車両保険を付帯させておくと盗難時も保険金が支払われる
■鍵を挿しっぱなしや窓の閉め忘れなどでの盗難に関しては車両保険を使えない場合がある
クルマが盗まれたといって必ず保険金が貰えるとは限らない
クルマが盗難にあう懸念は年々減りつつあるといわれる。盗難を予防する装置(イモビライザーなど)が多くのクルマに搭載されるようになった効果は大きいだろう。しかし、盗難がなくなったわけではない。
盗難にあった際、自動車損害保険の適用はあるのだろうか?
保険金が支払われるのは、任意保険の車両保険に加入している場合だ。ただし、車両保険に入っていれば必ず保険金が下りるかというと、必ずしもそうではなく、盗難について保険金が支払われるのは数パーセントに留まるようだ。
盗難車に対して保険の適用がなされない理由は、たとえ車両保険に加入していても、盗難への適応がある契約になっていない内容があるからだ。なので、契約内容について詳細な確認が必要だ。当然ながら、カバーする範囲が広まる分、やや割高の保険料になる可能性はある。
次に、所有者や使用者に過失がある場合は、保険が適用されない。また、一旦は盗難にあっても、発見されて手元に戻ると、その間の車両への損害に対してのみ、保険金が支払われることになる。
ここで言う「使用者の過失とはなにか?」と言うと、たとえばキーをつけたままクルマを離れた場合。それだけでなく、施錠していても窓を開けたままクルマを離れて盗難にあった場合なども適用にならない。いわば、盗んでくださいといった状態でクルマから離れていた場合は適用外になる。
そんなことはめったにしないはずと思うかもしれない。しかし、たとえば「コンビニエンスストアで飲み物を買うだけ」とか、「ATMで現金を下ろすだけ」といった、数分で用が済みそうなとき、ついイグニッションを入れっぱなしであったり、窓ガラスを開けっ放しであったりしたままクルマを離れることはありそうだ。猛暑の夏など、空調を止めたくない意識が働くかもしれない。
クルマが盗難にあってから警察の捜査により発見され、手元に戻った場合は、キーシリンダーが壊されていたなど、車両の損害に対する保険の適用はある。そのほかに、クルマの装備や車内に置いてあった私物などがなくなった場合、身のまわり品の担保特約に加入していれば、補償の対象になる。
いずれにしても、盗難によって保険を利用すれば、次年度の契約で1等級下がることになり、余分の保険料を支払うことになってしまう。
盗難に対する保険適用の有無は、心配すればより多くの保険料がかかることになり、利用すれば、翌年の保険料が高くなってしまうことにもなる。クルマを離れる際は、ドアの施錠とキーを身に着けることを忘れないことが重要だ。