この記事をまとめると
■スーパーGTのGT300には61歳同士で最年長コンビを組むチームが存在する
■R’Qs MOTOR SPORTSの和田 久選手/城内政樹選手は13年間にわたって参戦している
■「あきらめないこと」を信念にトレーニングを欠かさずに続けている
スーパーGT最年長コンビが過酷なレースに参戦し続ける理由とは
スーパーGTのGT500クラスにはトヨタ、ホンダ、日産と契約するプロドライバーたちが集結しているが、GT300クラスのドライバーの顔ぶれはじつに多彩である。
スバルのワークス活動を担うR&D SPORTのようにメーカー直系のプロドライバーを起用するチームのほか、多くのチームが経験豊富なベテランやステップアップを目指す若手ドライバーを起用。また、彼らのようなプロドライバーのほか、ジェントルマンドライバーも少なくはなく、まさにGT300クラスは豊富な顔ぶれとなっているのだが、そのなかで、言わばGT300クラスの名物的な存在となっているのが、22号車「アールキューズAMG GT3」を投入するR’Qs MOTOR SPORTSの和田 久選手/城内政樹選手だ。
同チームは2010年よりスーパーGTへの参戦を開始しているが、一貫してドライバーのラインアップは和田選手/城内選手を継続。ともに1962年生まれの61歳で、スーパーGTでは最年長コンビとして活躍しているのだが、なぜ13年間にわたって最年長コンビで参戦を続けているのか? さらにジェントルマンドライバーの多くが、スーパー耐久シリーズなどほかのカテゴリーへ参戦しているのだが、和田選手/城内選手はなぜスーパーGTにこだわり続けるのだろうか?
というわけで、第4戦の富士で、GT300クラスに挑む最年長コンビを直撃した。
──2010年にスーパーGTに参戦して以来、ずっと和田選手と城内選手はコンビを組んでいますが、そもそも、コンビを組むきっかけはなんだったのでしょうか?
和田選手:チームを立ち上げようとしたときに城内選手のことは知っていたし、年齢も同じだったので自分のほうから誘いました。
城内選手:僕がレーシングカートをやっていたときに和田選手はF3000をやっていたので、ずっと前から知っていました。その後、僕もポルシェでスーパーGTのGT300クラスに出るようになったので和田選手とも繋がるようになった。それで誘っていただけたんだと思う。
──筆者は間もなく50歳になるんですが、明らかに30代のときよりも体力が落ちました。階段を登るだけでもきつくなってきたんですが、61歳のおふたりはGT300クラスでレースをやっていて体力的にはきつくないんでしょうか?
和田選手:いまのクルマは運転がラクですね。2010年にスーパーGTへ参戦し始めたころは、ヴィーマック350Rだったんだけど、パワステがなかったのでいまのメルセデスの倍は体力が必要だった。もちろん、メルセデスもブレーキは重たいので踏力が必要です。周回を重ねていくのは大変なんですけど、GT3はジェントルマンがレースをやるために作られたクルマですからね。パワステもついているしABSもついているので、こういったクルマのデバイスが長くレースをやれている要因だと思います。
城内選手:ブレーキは踏力がいるので、腰に負担はかかりますよね。それ以外は大丈夫かな。