客も店も得する! ディーラーの「試乗車落ち」中古車が「オイシイ」ワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■最近のディーラーは経営が厳しく新車の値引きも難しくなってきている

■ディーラーはここ数年で中古車の販売に力を入れるようになってきた

■新車が予算的に厳しいユーザーは「試乗車落ち」の中古車が狙い目だ

新車の値引きは渋く査定も昔ほど高くならない

 メーカー系正規ディーラーがすでに新車販売による利益に依存した経営が難しくなってきていると言われて久しい。ただ、いままではそれでも少ないディーラー利益を削ることで値引き原資としてきたのだが、ここのところの部材費高騰などで単純なメーカー希望小売価格の値上げを行っていない車種でも、話を聞く限りは全般にわたりメーカーからの仕入れ価格はすでに高騰しており、さらなるディーラー利益が圧迫されることとなり、値引き原資としてディーラー利益を削るのも限界が見えてきているとも言われている。

 一部改良やマイナーチェンジ、フルモデルチェンジが行われても、当然ながらコストアップを吸収することを目的としており、価格アップが激しくなるケースも目立っているが、そのレベルでは十分にコストアップ分を吸収することはできないとも言われている。

 新車購入時の商談で提示される値引き額については、メーカー希望小売価格からの値引きのほか、オプションからの値引き、さらに下取り査定額に値引き不足分を補填するなど、複合的なもので形成されてきた。

 ただ、オプションについても若干の値上げなどは行われているものの、状況はメーカー希望小売価格と同様にコストアップを十分吸収できていないので、オプションからの値引きも引き締め傾向となっているようである。それでは下取り査定額の上乗せに一縷の望みを託すことになるのだが、それも期待薄のようだ。

「新車ディーラーではタイヤやバッテリーなど汎用部品の物販も強化していますが、こちらも物価高騰のなかでも十分に販売価格に反映することができていないので、得られる利益は限られております。そのなかで重視しているのが中古車販売です。中古車販売で利益を稼ぐためにも、値引き補填のような下取り査定額の上乗せを可能な限り抑え、できるだけ安価に車両を下取り、そして中古車として再販することで利益を稼ごうとしているので、下取り査定額の上乗せについても以前ほどは期待できなくなりました」(事情通)

 アメリカではオートモールとも呼ばれ、各メーカー系ディーラーが集中して出店している地域がある。このようなオートモールにある店舗は、面する通りから店舗までの間に広大な屋外車両展示スペースを持つことが多いのだが、そのほとんどのスペースには中古車が展示されている。

 しかも、通りに面して展示されているオススメモデルは、自分たちが扱うメーカー車両にこだわらず、他メーカーの人気モデルの中古車が展示されているのも当たり前となっている。アメリカの新車ディーラーの多くではずいぶん前から中古車販売を強化しているのである。新車販売だけでは新車ディーラーが食べていけないのは日本だけの話でもないのだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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