「電気料金」爆上がりのいまEVに乗って得ある? ガソリン車とEVの「給油 vs 充電」料金を比較計算してみた! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■電気料金の値上がりが激しい現状においてもEVに旨味はあるのか考えた

■目いっぱい補助金を受ける前提であればいまだEVの経済性は圧倒的

■自宅充電を前提にすればEVのランニングコストはさらに半額になる

電気代の高騰でもEVのメリットはなくらないのだろうか?

 原油価格の上昇、為替の影響などから電気料金が高騰している。とくに自由化によって生まれた新電力と呼ばれる小売電気事業者や特定規模電気事業者の提供するサービスにおいては電気料金の変動幅が大きいことから急激な値上りに悲鳴を上げている家庭も少なくないという。

 また、急速充電インフラの利用を前提としたEV充電サービスについても電気代高騰やインフレ対応として会費や利用料を値上げしているケースは少なくない。そもそも一般電気事業者(東京電力や関西電力など)においても、原発再稼働をしていない事業者は大幅な値上げを実施している。たとえば、東京電力の提供するオール電化向けのメニューでは、2023年6月までの深夜料金は1kWhあたり18.37円だったが、7月以降は28.06円と5割以上も上昇しているほどだ。

 これまで電気料金のリーズナブルさによってEVの運用コストは抑えられているといわれていたが、これほど電気料金が上がってしまうと、その旨味はなくなり、エンジン車とランニングコストは大差ない状況になっているのでは? と思ってしまう。

 しかし、結論をいえば少なくとも基礎充電として自宅などでの普通充電をメインにしている限り、エンジン車に対するEVの経済性は車両価格差を考慮しても圧倒的といえる。

 パワートレイン以外の差を最小とすべく、三菱の軽自動車eKクロスとeKクロスEVで比較してみよう。

 この2台は基本的なボディは共通で、パワートレインの違いだけといえる。そこで車両価格とランニングコストの合計で計算してみれば、エンジン車とEVの違いが明確になることだろう。

 eKクロスEVのモータースペックは最高出力47kW、最大トルク195Nmとなっているので、eKクロスのほうも最高出力47kWのターボエンジンを積む「T Premium」グレード、メーカー希望小売価格183万1500円を比較対象としてみよう。

 装備を合わせるためeKクロスEVも上級グレード「P」で比較するのがフェアだろう。こちらの車両価格は308万1100円で、そこに先進運転支援システム「マイパイロット」のオプションを追加すると、車両価格は324万6100円となる。

 これだけを見ると、圧倒的にEVのほうが高くみえるが、ご存じのとおりEVには国や地方自治体が手厚い補助金を準備している。

 政府から支給されるCEV補助金は、軽EVの場合は55万円。地方自治体としてはもっとも補助金が充実しているのは東京都で購入すると仮定した場合、再エネ電力を導入しているという前提で計算すると、補助金の合計は70万円となり、合わせて125万円となる。

 つまり、実質的な車両価格でいうと、ターボエンジンのeKクロスが183万1500円なのに対して、eKクロスEVは199万6100円となり、その差は16万4600円となる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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