この記事をまとめると
■東京都は昔から環境対応に積極な姿勢で取り組んできた
■ZEVの普及にも積極的で路上の駐車スペースに併設した急速充電器の実証実験を開始した
■路上での経路充電も充実させることでEVが使いやすい都市になることを目指している
環境対応に積極的な東京都が目指す「ゼロエミッション東京」
かつて、ディーゼル規制を独自に進めたように、東京都は自動車の環境対応について国よりも積極的な政策をとってきたという伝統がある。
東京都が現在進めている「ゼロエミッション東京」の実現についても同様で、日本政府の目標よりも攻めたロードマップを掲げている。具体的には、2030年には都内の乗用車新車販売に占めるZEV(ゼロエミッションビークル)の割合を50%まで高めるという意欲的な目標を掲げている。
排出ガスを出さないクルマ=ZEVの代表格といえるのがEV(電気自動車)だ。現時点でも、EVの普及について東京都は積極的だ。
ご存じのように、政府のCEV補助金に加えて、東京都はEV購入補助として独自に最大45万円の補助金を用意している。さらに、自動車メーカー別の上乗せ補助として最大10万円、太陽光発電設置済みのユーザーであれば再エネ電力導入上乗せとして30万円の補助金がプラスされる。条件次第では東京都だけで85万円のEV導入補助金を用意しているのだ。
東京都の施策においては、EVを利用しやすい環境整備についても考慮している点にも注目したい。
たとえば、2025年からは新築時にEV充電用設備の整備を義務化するという政策をとっている。すでにEVを日常的に利用しているユーザーであれば実感しているだろうが、日常的な充電は自宅や職場での普通充電であり、こうした充電は基礎充電と呼ばれる。
一方、EVの普及に欠かせないと指摘されることの多い、移動中に電力を補給できる急速充電については、経路充電として区別されている。
もちろん、EVの利便性を上げるには基礎充電と経路充電の両面においてインフラ整備を進めることが重要なのは言うまでもない。