この記事をまとめると
■クルマの動力性能を判断する材料として0-100km/h加速がある
■静止状態から100km/hに達するまでの所要時間のことであり加速力の目安となる
■7秒未満なら高性能スポーツカー、10秒未満なら加速力を誇れるクルマといえそう
クルマのパフォーマンスを判断するひとつの基準
クルマの動力性能の比較に役立つデータは、①最高速度、②ゼロヨン(0-400m加速)、③0-100km/h加速の3つがある。このなかで、最近もっとも注目されているのが0-100km/h加速。EVハイパーカーを筆頭に、メーカーが公表値を発表しているクルマも増えてきている。
0-100km/h加速は、文字通り静止時から時速100kmに達するまでの所要時間のこと。
300km/hを超えるような最高速は、公道で試せるものではないし、ゼロヨンだって、400mもフル加速し続ける状況は、テストコースなどを除けば現実的ではない……。
それに対し、100km/hまでの加速なら、高速道路などでもあり得るシチュエーション。そしてエンジンと違って、起動トルク=最大トルクという特性を持つ、モーターを動力源にしたEVやハイブリッド車にとって、この0-100km/h加速はもっとも得意とする分野であり、伝統あるピュアガソリンエンジンのハイパフォーマンスカーに対し、より優位であることを示すのにもってこいの指標そして重宝されている面がある。
加速性能は、車重の軽さ、トラクション性能(駆動方式・タイヤのグリップ力)、パワーユニットの出力&トルクとレスポンス、ギヤ比などが大きく影響し、意外なことに空力の影響はそれほど大きくはない。
そんな0-100km/h加速の市販車最速は、クロアチアの新興EVメーカー、リマック・アウトモビリ社のネヴェーラが記録した1.85秒!
ネヴェーラとパワートレインの一部を共有するピニンファリーナ・バッティスタも1.86秒で、テスラのテスラ・モデルSプレッドは2.1秒。
ガソリンエンジンのスーパーカーでは、2秒の壁を破れないといわれてきたが、このようにエレクトリックハイパーカーはすでに1秒台に入り始めている。
国産車では日産GT-R NISMOが2.8秒。ハイブリッドのホンダNSXが3.0秒。トヨタのGRスープラが4.1秒。GR86が6.3秒といったところ。
意外なところでは、現行プリウス(5代目)がGR86並みの6.7秒を記録し話題になった。
軽自動車では、ホンダのS660が9.8秒。スズキのアルトワークスが10秒台。ホンダのN-ONEが12秒台前半といったところ。
まとめると、0-100km/h加速が1秒台、2秒台、3秒台のハイパフォーマンスカーは別格として、7秒未満なら高性能スポーツカーといえるし、10秒未満なら加速力を誇れるレベルといっていいだろう。
というわけで、0-100km/h加速の速さの基準はずばり10秒フラット。それより速ければ加速力の優れたクルマ。11~13秒ぐらいなら実用車としてまずまず。それ以下だと加速が鈍いクルマとジャッジするとわかりやすい。