じつは「デザイン代」がない超大変な作業! 新型アルファード&ヴェルファイアの「イケてる」デザインの秘密 (1/2ページ)

この記事をまとめると

アルファード/ヴェルファイアのスタイリングのポイントを解説

■サイド面の抑揚のあるキャラクターラインでボディ全体のアグレッシブな印象を生み出している

■フロントバンパーのサイドポンツーンがアルヴェルの個性を表現している

ほとんどデザイン代がない状態で大胆で抑揚のあるサイド面を実現

 新型アルファード/ヴェルファイアのスタイリングがいろいろな意味で話題となっている。

 フロントグリルのメッキ表現は控えめになり従来ほど押し出しを感じなくなったという見方もあれば、エンブレム部分が先端になるように逆スラント形状となったフロントシルエットは歴代で最高に押し出し感があるという意見もある。

 シンプルにまとめれば、従来までのアルファード/ヴェルファイアは箱型のボディにマッシブなフロントグリルを与えるという文法によるスタイリングだったが、新型ではボディそのものが勢いよく猛進するようなフォルムになったといえるだろう。

 そんなボディ表現のポイントといえるのが、サイド面の大胆なキャラクターラインと面構成だ。ノーズ先端からフロントフェンダーを通り、そのままリヤバンパーまで続く様子は、非常に抑揚をつけたもので、ボディ全体のアグレッシブな印象を生み出している。

 一般に、サイド面に抑揚をつけるには「デザイン代」を要するといわれている。これはボディ骨格と外皮の間にあるスペースのことだ。デザイン代が大きいほどダイナミックな面構成にしやすいことは容易に想像がつくだろう。

 しかし、新型アルファード/ヴェルファイアについては「日本の機械式駐車場の制限サイズとなる全長5000mm・全幅1850mmを死守しました」という発言もあった。もちろんショーファーカーとしての優雅さも追及したアルファード/ヴェルファイアが室内空間を犠牲にしてボディ全幅を狭めているはずもない。

 つまり、骨格と外皮の関係でいうと、ほとんどデザイン代がない状態でここまで大胆かつ抑揚のあるサイド面を実現しているのが新型アルファード/ヴェルファイアといえる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
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