この記事をまとめると
■ゾーン30というエリアが日本各地に設けられている
■通学路や狭い住宅街にある道路での事故を防ぐために設置されている
■全国各地で設置が進んでいる移動式オービスも最初はゾーン30で使われていた
知っているようで知らない人が多い「ゾーン30」とは
最近、よく見かけるのがゾーン30という表示だ。「ここはゾーン30」という標識があったり、路面に書いてあることもある。いずれにしても、ゾーン30であることを強くアピールしているのは確かだ。そもそもこのゾーン30とはなんなのだろうか。
導入されたのは平成23年、つまり2011年から。一般的に警察の交通規制は交差点などの点か、道路などの線でのものだったのに対して、それまでの規制とはまったくことなるエリア全体を対象としたのが特徴となる。
そもそもの導入理由としては、導入までの10年間で見ると、車道幅5.5m以上の道路では交通事故発生件数が29.2%も減ったのに対して、5.5m未満の道路では8%しか減っていないというのがある。さらに2010年の交通死傷者数で、歩行者と自転車運転中のものが占める割合は、5.5m未満は5.5m以上の1.7倍というデータも導入の一因となっている。
5.5m未満の細い道、つまり住宅地などの路地内での対策が必要ということで導入されたのがゾーン30というものだ。このなかではその名称にもなっているように、エリア内の制限速度は30km/h。さらに、路側帯を設置したり、拡張する反面、車線を狭くしたり、センターラインを廃止するなどして、スピードを出しにくくしている。またバンプと呼ばれる凹凸を付けている場所もある。
つまり、いつも以上にゆっくりと慎重に走る必要があるのが、ゾーン30ということになる。また、ただの設定に終わらないのがゾーン30だ。いま各地で驚異となっているレーザー式の移動オービス導入の当初の目的は、ゾーン30内の安全確保のためとされていた。いまやほかの路線でも使用されているとはいえ、ゾーン30内でも引き続き使われているという情報がある。もちろん取り締まりに関わらず、慎重に走行したほうがいいだろう。