この記事をまとめると
■軽自動車の大半は乗車定員が4名
■その理由を国土交通省に聞いた
■5人乗りにすることも制度的には不可能ではない
軽自動車のほとんどが4人乗り!
軽自動車の乗車定員は、大半の車種が4名だ。ダイハツ・コペンのように、後席を装着しないスポーツカーは2名だが、それ以外は4名で統一されている。小型/普通車の2列シート車のような5名、ミニバンのような6〜8名に設定された軽自動車はない。なぜ軽自動車の乗車定員は4名が上限なのか。
軽自動車のボディサイズやエンジン排気量は、道路運送車両法により、細かく定められている。全長:3.4m以下、全幅:1.48m以下、全高:2.0m以下、エンジンの総排気量:660cc以下という具合だ。軽自動車はボディやエンジンの排気量を小さく抑える代わりに、小型/普通車に比べると税金が安い。
ところが軽自動車の乗車定員は、道路運送車両法に定められていない。中型自動車は乗車定員11名以上30名未満、大型自動車は30名以上という定めはあるが、軽自動車の乗車人数が4名以下という法規はない。つまり全長や全幅、エンジン排気量などとは、取り扱いが異なるのだ。
それなら軽自動車の乗車定員は、何に基づいて4名なのか。国土交通省に尋ねると以下のように返答された。
「軽自動車には、乗車定員の特別な定めはない。小型/普通車と同様、道路運送車両法に基づいて、座席の幅などから乗車定員を算出している。従って軽自動車でも、座席の幅や形状などによって乗車定員をさらに多く設定できれば、5人乗りにすることも制度的には不可能ではない」。
たとえばスズキ・ジムニーシエラのボディサイズは、全長が3550mm、全幅は1645mmだから軽自動車の枠を超えて小型車になる。それでも車内の広さは軽自動車のジムニーと同じだ。乗車定員もジムニーと同じく4名になっている。
つまり軽自動車だから乗車定員は4名、小型車だから5名以上と定められているわけではない。あくまでも乗車定員の算出方法に基づいている。