この記事をまとめると
■不人気だが完成度が高いクルマをピックアップ
■不人気車には1カ月で数百台しか売れない車種もあるので人とも被りにくい
■上位モデルと遜色ない装備で数十万円安いケースもあるのでお得だ
売れてないが商品力が高いモデルをピックアップしてみた
好調に売られるクルマは、多くのユーザーが使っている以上、優れた商品と判断できる。しかし、売れていないからダメとは決められない。ユーザーの好みやニーズに合わず、売れ行きが伸び悩む商品もあるからだ。そこで酷評されたり売れ行きを落としながら、選ぶメリットのある車種を取り上げたい。
軽自動車/ダイハツ・ミラトコット(2022年の1カ月平均販売台数:約660台)
いまは新車として売られるクルマの約40%を軽自動車が占める。販売も好調で、ダイハツ・タントは2022年の1カ月平均販売台数が約9000台に達した。ところが同じダイハツのミラトコットは660台だ。タントの7%に留まる。
ミラトコットは女性向けの軽自動車で、企画の立案段階から女性スタッフが加わった。そのためにデザインは従来の女性仕様車に比べて落ち着いた雰囲気だが、売れ行きは低調だ。
不評の原因はフロントマスクなどの外観にもあるが、いまは全高が1600mm以下の軽自動車は、価格を100万円前後に抑えた低価格車以外は全般的に低迷している。それでもミラトコットを推奨する理由は、安全装備を充実させて、価格は割安に抑えたからだ。L・SAIIIは、衝突被害軽減ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ、バイアングルLEDヘッドランプなどを標準装着して価格は116万2700円になる。タントの売れ筋グレードに比べて40万〜60万円安いことになる。
ミニバン/トヨタ・グランエース(2022年の1カ月平均販売台数:約1台)
グランエースはLサイズのミニバンだ。3列シートで6人乗りのプレミアムと、4列で8人乗りのGがある。販売台数は「きわめて少ない」とされる。
それでも推奨する理由は、プレミアムの場合、2列目と3列目シートの両方に座り心地の快適なエグゼクティブパワーシートを装着したからだ。1列目の座り心地も相応に良いから、6名全員が快適に移動できる。
快適なミニバンとしてはアルファードが人気だが、3列目は格納性に重点を置いたから、座面の柔軟性が乏しく座り心地も良くない。床と座面の間隔も乏しく、足を前方へ投げ出す座り方になる。3列目の座り心地が悪いため、大人6名が乗車して長距離を移動するには、途中で「席替え」をする必要も生じる。
その点でグランエースなら、3列目にもエグゼクティブパワーシートが備わり、6名全員が快適に座れる。途中で席替えをする必要はなく、多人数乗車時の満足度はきわめて高い。