この記事をまとめると
■海外にはまだまだ日本に入ってきていないブランドが多い
■元々は大手メーカーのサブブランドであった部門の独立が海外市場では目立っている
■この3社はボルボやヒョンデ、フォルクスワーゲンに属していたのでクオリティは高い
日本に入ってきたら盛り上がりそうな海外ブランド
「日本でこのブランドが上陸したら、人気になるだろうか?」。
パリ、フランクフルト、ジュネーブ、ニューヨーク、モスクワ、上海、北京、広州、バンコク、ジャカルタなど、世界各地のモーターショーを取材すると、そんなことを思うときがある。日本のユーザーがこうした各地巡りをしたらならば、「日本未上陸のブランドって、まだこんなにたくさんあるんだ」と驚くかもしれない。
そうしたなかから、3つのブランドを紹介してみたい。
まずは、ポールスターだ。
各種資料によると、そもそもはボルボのレーシングチームの名称とされ、その影響からボルボの量産車のハイパフォーマンスカーのサブブランドという時代があった。
しかし、ポールスターがブランドとして独立したのは、2017年以降の電動車になってからだ。
当時、ボルボの本国であるスウェーデンや欧州各地でボルボの関連取材をした際、ボルボの親会社である中国の吉利(ジーリー)によるBEV(電気自動車)シフトを受けて、電動関連パーツを中国で量産することによるコスト競争力をつけ、さらにデザインでもかなり尖った方向に振っていくという説明を受けた。
その後、コンセプトモデルを含めて複数のモデルが公開されており、欧州と中国で今後急速に進むと予想されるBEVシフトのなかで、ポールスターの存在感が一気に高まる可能性もあるだろう。そうした海外での事業基盤が整った状況で、さらに日本でのBEVシフトが加速期間に入ったタイミングでの日本上陸が実現することを期待したい。
次は、韓国のジェネシスだ。
日本での韓国車といえば、2021年に日本に再上陸を果たしたヒョンデがある。販売モデルはBEVと燃料電池車のみで、しかも販売方法の基本はオンラインというのが特徴だ。
そんなヒョンデのプレミアムブランドがジェネシスだ。
ジェネシスという発想には、90年代から2000年代にかけての、日米欧プレミアムブランドのアメリカでの台頭だ。
トヨタ/レクサス、日産/インフィニティ、ホンダ/アキュラ、メルセデスベンツ/AMG、BMW/Mといった一連の動きに対して、アメリカでの販売を拡充していたヒョンデとして適合する必要が高まったと言えるだろう。
筆者はジェネシスの初期コンセプトから、各種量産車の変遷をアメリカで見てきたが、デザインや走りの進化の早さに驚くことが多かった。
今ではアメリカを含めて、グローバルでの認知度が高まったジェネシス。日本市場でもヒョンデの需要が一定数以上に達した時点で、ジェネシス導入という展開になっても不思議ではないと思う。
そのほか、「クプラ」も面白いブランドだ。
フォルクスワーゲングループのスペイン企業であるセアトの上級ブランド。同グループによるBEVシフトが今後、さらに加速していくなかで、多様なブランド戦略として日本でクプラを活用する、といった手法も考えられるのではないだろうか。