この記事をまとめると
■輸入車は年に数回値上げすることも珍しくない
■国産車の場合はモデルチェンジやマイナーチェンジのときに値上げすることが多い
■最近はバッテリーの使用量が多いプラグインハイブリッドや電気自動車が値上げされている
国産車もいつの間にか値上げが実施されている
最近はクルマの値上げが著しい。輸入車は1年に数回にわたって値上げすることもあり、急速に割高になっている。日本車はそこまで極端ではないが、値上げを実施している。
日本車の値上げで注意したいのは、リチウムイオン電池の使用量が多い電気自動車やプラグインハイブリッドだ。
値上げはフルモデルチェンジやマイナーチェンジを見計らって、目立たないように実施することが多いが、電気自動車の日産リーフは単純な値上げを行った。60kWhのリチウムイオン電池を搭載する上級グレードのe+Gは、従来の価格は480万5900円だったが、2022年12月の価格改訂で583万4400円に値上げされた。値上げ額は100万円を上まわり、比率に換算すると21%に達する。
2022年12月には、同じく電気自動車の日産サクラも値上げを実施した。サクラXの価格は、従来は239万9100円であったが、値上げされて254万8700円になった。値上げされた金額は14万9600円で、7%高くなっている。
プラグインハイブリッドでは、アウトランダーPHEVが値上げを実施した。最上級グレードになるPの価格は、2021年の発売時点では532万700円だったが、2022年10月の改良で、機能を少し充実させて548万6700円に高められた。さらに2023年2月になると、570万5700円に値上げしている。発売時点に比べると、アウトランダーPの価格は38万5000円高く、比率に換算すると7%高められた。
このほか日産ではエルグランドやキャラバン、ホンダではN-BOXやステップワゴンなども値上げを実施した。いずれも原材料費や輸送費の高騰に基づき、メーカーとしても辛い判断であった。とくに軽自動車やミニバンは、買い得度が重視されるカテゴリーで、価格競争も激しい。それを値上げしたのだから、車両の収支が相当に追い詰められていた。
その一方で日産GT-Rは、コロナ禍の前から、改良のたびに価格を高めてきた。現行GT-Rが2007年に発売された時は777万円だったが、今は、価格がもっとも安いピュアエディションでも1375万円だ。発売時点に比べるると598万円値上げされ、比率に換算すると1.8倍に達する。
発売されたときのGT-Rはとても買い得だったが、今はきわめて高価な日本車になっている。GT-Rのようなクルマは、価格の割安度を問われないため、メーカーも気兼ねなく思い切った値上げに踏み切ってしまうのだ。