この記事をまとめると
■最近は納期遅延が深刻さを増しており受注を1年ほど止めているモデルもある
■メーカーは車種や仕様によっては半年以内に納車が可能なモデルも用意している
■不人気車はむしろ納期が延びる傾向で人気車であれば工場の稼働率の観点から納期が早い
人気車種でも納期が短いモデルがあった
今はクルマの納期が延びて、6カ月から1年に達する車種も多い。また受注を停止するクルマも増えた。
たとえば納期が1年に達する車種が、10カ月後にマイナーチェンジを実施する場合、現時点で受注するのは改良後の車両だ。しかし10カ月後にマイナーチェンジを行う車両を受注する準備は整っていない。そこで仕方なく受注を止める。
その典型がトヨタのアルファードだ。以前から納期が長く、なおかつ2023年中にフルモデルチェンジを予定する。そのためにアルファードは、2022年6月には受注を終了した。過去に受注したアルファードの納車は続いているが、販売はすでに1年近く止まっている。
このように納期が延びたり受注が停止するとユーザーは困る。とくに今は新車需要の80%以上が乗り替えに基づくから、多くのユーザーが今まで使ってきた車両を下取りに出して新車を買う。この納期が長引くと、今まで使ってきた車両の車検を取り直すなど、余分なコストも掛かる。
しかも今は、初度登録から13年を超えた車両を増税する悪法まで実施されている。納期遅延のために車検を取り直して、増税まで加わるのは避けたい。そこで比較的短い期間で納車できるクルマを取り上げよう。
納期が短いクルマとして、購入する人が減った不人気車を思い浮かべるが、それも意外に納期は長い。売れ行きが悪い車種は、生産の優先順位も下がるからだ。逆に一部の人気車なら、スグに納車できる在庫車を用意している場合もある。
ホンダの販売店は以下のように説明した。
「N-BOXは大量に売られるため、人気グレードの売れ筋ボディカラーについては、在庫車を用意している。メーカーに注文したときの納期も、Nシリーズでは短めで6カ月以内に収まる。逆にN-WGNは少し長い」。
日産も「軽自動車は納期が短く、ルークスなら約4カ月」と述べた。納期を短縮したいなら軽自動車が狙い目になる。
コンパクトカーも比較的短い。ホンダでは「フィットが約6カ月」、日産は「ノートとノートオーラが約3カ月」と言う。
そして、意外な狙い目はスバルで「今後は延びる可能性もあるが、2023年5月上旬の注文なら、クロストレックの納期は4カ月から5カ月で、インプレッサも約4カ月」という。両車ともに注目度の高い新型車だが、納期はあまり遅延しない。
トヨタもコンパクトカーは納期が短く「ヤリスとアクアは約5カ月、パッソとルーミーなら3カ月から4カ月」と返答された。ダイハツが生産するOEM車は比較的納期が短い傾向にある。
その一方で、SUVの「ヤリスクロスとカローラクロスは、納期が停止している」とのこと。納期を短く抑えたいなら、SUVは避けて、軽自動車やコンパクトカーといった実用的な車種から選ぶのが良さそうだ。