発炎筒はクルマだけのものじゃない!? じつは名前は違えど鉄道にも装備されていた

この記事をまとめると

■クルマの発炎筒は常備する必要がある

■緊急停車する際、周囲に自車の存在を知らせるためのもの

■鉄道にも装備することが定められている

万が一の事故や故障の際に安全を確保

 クルマに常備するものとして、車検時にチェックされるのが発炎筒だ。助手席の足もとなど、運転の邪魔にならないで、取り出しやすい場所に置くのが基本となっている。使い方はマッチと同じでキャップを取って擦ると炎が出て、煙もけっこう出る。目的は事故や故障などで緊急停車する場合に、他車に対してこちらの存在をアピールすることで、とくに高速道路では有効だ。

 事故などでなくても、高速道路での夜間工事で使用されているので使われているのを見たことがある人も多いだろう。赤い炎が、花火のように吹き出ているのがそれ。ただし、工事用は乗用車用とは持続時間や明るさが異なる専用品だ。ちなみに法律的には「非常用信号用具の装着」を義務としているだけで、発炎筒でなく、発光するタイプでも構わないとしているので、その昔は懐中電灯に赤の点滅機能をプラスしたものもあった。

 この発炎筒、鉄道にも装備することが定められているのだ。鉄道事故に遭遇することはほとんどないので、作動しているのを見たことがある人は少ないだろうが、装着されているのは天井に付けるタイプもあるので車両によっては確認できることもある。

 運転手や車掌が携行するタイプは明るさや発煙時間はクルマ用とほぼ同じ。違うのはまず名称で発炎管と呼ばれている。使い勝手も線路に下りて設置する際に倒れないように磁石なっていて、レールに付けられるという点が違う。また地下鉄では煙が充満しやすいので煙少なめのタイプが使われている。

 そのほか、先に紹介したように天井に付けるタイプは運転席の上に付いていて、なにかあれば車内から作動させることができるようになっている。いずれにしても鉄道の場合は信号の代わりになるものと定められているので、設置場所や性能が自動車用と違うし、もっと言えば爆音(条文ママ)や警告音でも構わない。

 いずれにしても交通の安全のために使われているのには変わらないものだけに、自分のクルマはどこに積んであるのか。使用期限ともども確認しておきたい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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