この記事をまとめると
■Uターンが苦手という人は少なくない
■しかし片側二車線の道で第一車線からUターンするのはNGだ
■「指定横断等禁止違反」に該当すると違反点数1点、反則金6,000円(普通車)
「指定横断等禁止違反」に該当することも!
はっきり言って日本の道路は狭い。道は狭いのに3ナンバーの大きなクルマで、ハンドル切れ角の小さいFFや4WDが多いので、Uターンは苦手という人も多いだろう。
だからといって、片側二車線の道で第一車線の左端からいきなりUターンするのはいただけない。
Uターン=「転回」について、道路交通法では次のように定めている。
「車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
2 車両は、道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない」(第二十五条の二)
意外にあっさりしているが、片側二車線の道で第一車線からUターンを開始するのは、「他の車両等の正常な交通を妨害するおそれ」が十分にあるので違法といえるだろう(例外的に、Uターンしようとしているクルマの後方と、対向車線にクルマが皆無であれば、許されるかもしれないが……)。
違反者は、「指定横断等禁止違反」となり、違反点数1点、反則金6,000円(普通車)が科せられる。
また、道路交通法 第二十六条の二に「車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
2 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない」とあり、片側二車線の道の第一車線からのUターンは、「進路変更の禁止」にも抵触し、取り締まりの対象(違反点数1点、反則金6,000円(普通車))になる可能性もある。
ちなみに、Uターン中のクルマに、後ろから来た直進車が追突したときの過失割合は、Uターン車が「8」、直進車が「2」。同じくUターン中のクルマに、対向車の直進車が追突した場合も、Uターン車が「8」、直進車が「2」になるのが基準。
これがUターンを終えた直後のクルマに直進車がぶつかると、Uターン車が「7」、直進車が「3」が基準になる。
なお右折については、道交法で「右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない」と第三十四条に明記されていて、転回(Uターン)については、「あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り」と、交差点での位置関係までは触れていないが、これについてはUターンでも、右折に準ずると考えるのが妥当だろう。
いずれにせよ、片側二車線以上の道で、第一車線にいるクルマが右ウインカーを出して動き出したら、後続車は発進、もしくは車線変更の合図と認識するのが普通なので、そこからUターンを開始するのは、安全のためにNGとするのが賢明だ。