この記事をまとめると
■流麗なスペシャリティクーペとして1988年にS13型シルビアが登場した
■兄弟車として誕生した180SXはシルビアよりもスポーティなモデルという位置づけだった
■両車はFRレイアウトやターボエンジンなどにより、のちにドリ車として大ブレイク
スタイリッシュなデートカーとして人気を獲得
5ナンバーサイズの扱いやすいボディサイズにパワフルなターボエンジンの設定、そしてFRレイアウトを持つモデルとして、いまではすっかりドリフトマシンの代名詞となっているS13系の日産シルビアとその兄弟車に当たる180SX。
しかし、もともとシルビアは流麗なスペシャリティクーペとして1965年に生まれたモデルであり、1988年5月に登場した5代目となるS13型もスポーティではあるものの、どちらかというと当時のデートカー市場で大人気を博していたホンダ・プレリュードに対抗するモデルとして登場していた。
そのため、当時は「ART FORCE SILVIA」というその美しいクーペスタイルを強調するかのようなキャッチコピーが付けられ、カタログでもボディラインを強調するようなイメージカットが多く使われており、走りを想起させるものはほとんど使われていなかったのである。
さらに、登場からわずか2か月後の1988年7月には早くもオーテックジャパンが手掛ける「コンバーチブル」が追加されたところを見ても、スペシャリティ路線を歩もうとしていたことは明白と言えるだろう。